リペアスタッフは見た! 工房活動記⑤(2019年 7・8月編)

こんにちはーー!!ラフジュ工房リペアスタッフの天野です。

いよいよ気温も本格的に熱くなり始め、身体的にはしんどい…ですが気持ちはテンションMAXな夏がやって来ましたね!

冬を超えると夏の暑さを忘れてしまって、夏ってこんなに暑かったっけと毎年思うのは僕だけでしょうか⁉

そんな事も考えながら毎日やってくる愛しのアンティークと戦っています!

7月は何がやってくるのでしょうか!始まりです!!

幻想的な豆ランプ

暗闇に一つ灯せば、まるでおとぎの世界に連れて行ってくれそうな豆ランプ。

これらはロウソクに代わって明治期に使われたアンティーク豆ランプです。ちょこんと手のひらに収まる程小さく、繊細な光で優しく卓上を照らしてくれます。

そんな豆ランプのリペア風景を見ていきましょう。

まず、豆ランプとは三つの部品から成り立っています。

上から順に火を包む「ホヤ」、火を灯すヒモを巻き上げる「金口」、オイルを入れる「油壷」の三つです。

小さく薄いガラスで作られているため、ほとんどの豆ランプは壊れて部品でしかラフジュ工房にやって来ません。特に上部の「ホヤ」は風鈴のようにガラスが薄く壊れてしまいやすいようです…。

当時の人たちも手軽な明かりとして、これを持ち歩いて暗い廊下を照らしながら便所に向かったり、色んな場所にポンと置いたり。よく使うが故にうっかり壊してしまう事も多そうですね。

それでも無事に今まで残ってきた豆ランプのパーツは丁寧に梱包し、まとめて保管しています。

ラフジュ工房に集まった豆ランプのパーツ達。やはり残っている「ホヤ」の数は少ないですね…

ある程度の数がたまってきたら、ここからそれぞれのサイズやデザインを見ながら合うパーツ同士を組み上げていきます!

「ホヤ」「金口」「湯壺」とマッチングしていきます!

このように組み上がった豆ランプも、当時はそれぞれ違った姿たったことでしょう。

数十年の時を経てまた新たなパートナーとのめぐり合い、また優しい光を灯す豆ランプへと生まれ変わりました。

あくまでも使える事が前提なので、「金口」に付いた火を灯すヒモ「芯」が傷んでいれば取り換えも行います。

今回は四組の豆ランプが成立いたしました!

昭和に入ってからは大きなランプに移り変わり、このような豆ランプは作られなくなったようですね。

ロウソク一本分ほどの弱い光ですが、豆ランプの照らす雰囲気はとても幻想的で、ホヤの中で小さく瞬く火を眺めているだけでリラックスできます。

これを卓上で灯しながら「宮沢賢治」など昔の有名な小説を楽しみたいですね。

貴重な豆ランプ、お一ついかがでしょうか?

アンティークチェア座面の張替え

ラフジュ工房でも大人気な昭和レトロなアンティークチェア!

いかにも昭和レトロ!!というようなデザインが可愛いアンティークチェアは一つお部屋にあるだけでも可愛く実用的でいい物ですよね!

しかし、アンティークと言っても使い古されてボロボロになった布や革の座面は直接肌や洋服が触れるだけに抵抗感がありますよねぇ…

また気持ちよく大切に使ってもらえるようラフジュ工房の高品質リペアではそんな汚れた布を張替え、中のクッション材まで入れ替えを行っています!

今回はそんなアンティークチェアの座面の張替え風景をお見せ致しましょう!!

ではまず、アンティークチェアの汚れた座面の布と中のクッション材は全てはぎ取って処分してしまいます!

右のような大きなアンティークソファだとこのようにスプリングが入った作りになっています。一人掛けのアンティークチェアだと内部にクッション材がパンパンに詰められただけの作りになっているようですね。

椅子の布を張る際に、今はタッカーと言って大きなホッチキスのような道具でバチバチっと簡単に布をとめて張れますが、昔は全て釘を使って布を張っていたので座面を剥がす際その釘を全て綺麗に取り除く作業がながなか大変なのです…。一人掛けのサイズの座面でも200本くらいの釘を使ってとめられているので!

画像の様に古い座面を全て取り除けば、この状態で悪い箇所をリペアされます!

 

リペア作業風景は今回は割愛いたしまして(笑)

こんな感じになりました!背もたれの中央、五本の柱が一本欠損していたので新しく作られているのと座面の土台となる板が綺麗に張られていますね!

では、早速新しい布を張っていきましょう!!…と言いたいところですが次はフィニッシングブースで綺麗に着色してもらいます!

布張りは最後のお楽しみです(笑)

全体を落ち着いた深いブラウンで着色されて、いよいよ今回のクライマックスです!

もう待ちきれず中の綿がスタンバイしちゃっています(笑)

板の座面の上にはまずウレタンと言ってスポンジのようなクッション材を敷き、その上に綿を入れた二層構造にしています。

このウレタン材にもいろいろな厚みや硬さがあるので椅子に合った物を選んで調整しています。

ここまで来たら最後は布を張っていきましょう!

はい!完成です!!木と布の境目を鋲でとめられた白い線が一周してかわいいですね!

綺麗に張り替えられた座面も思わず撫でてしまいたくなっちゃいます。

昭和レトロな良さを最大限に活かした気持ちよく使って頂ける。これがラフジュ工房の高品質リペアアンティークチェアです!

リペアスタッフとしても手間ひを掛けただけあって余計に愛おしく感じます!

衝撃!!アンティークチェアの中身⁉

半世紀以上も昔の物を扱っていると、今では使わないような素材を家具に使っていたりして驚かされることもあります。

前に引き続いてアンティークチェアにまつわるお話です。

皆さんは、椅子などのふかふかのクッションの中身と言えば何を想像するしますか?

ぱっと思いつくだけでも綿、ウレタン(スポンジ)…などなどではないでしょうか?

しかし、半世紀以上昔に綿はあったとしてもウレタンのような便利な素材はありませんでした…

ではここでクイズです! そんな昔のアンティークチェアのクッションの中には何が使われていたでしょうか??

 

正解は…藁でした!!!!

始めて椅子の座面を剥がした時に中からパンパンに詰まった藁が出てきた時の光景はとても衝撃的でした!

藁というのは通気性が良く、夏は涼しく冬は暖かい。そのため馬小屋なんかにも敷かれてあると教えてもらいました!

それに、中から出てきた藁は何十年と経っているはずなのに全く腐ることもなく実用的にも何も問題ない状態で出てくるので耐久性にもとても優れている事が分かります。

安価で手に入りやすく素材としてもとても優秀!

椅子に中には藁だけじゃなく昔の人の知恵も沢山詰まっているのかもしれませんね。

リペアの前は箪笥を丸洗い!!

リペア前には一度綺麗に箪笥を洗います。リペア前の全ての箪笥をこのように洗うのかというとそうではありません。

箪笥にも事前に洗わなければいけない種類がありまして、それは昭和期以降につくられた表面を「砥の粉」で仕上げられた桐箪笥になります!

砥の粉仕上げって?

粘板岩および頁岩の風化作用により生成される超微細な粒子状の粉を表面に塗って仕上げる方法で、表面の木目が埋まり箪笥を美しくみせ、同時に保護の役割も果たす表面仕上げの事です。

この仕上げが施された箪笥にはリペアを行った時に着色の工程で砥の粉が塗料をはじいてしまい色が綺麗に入りません。

なので表面の「砥の粉」と、それと同時に汚れ落としも兼ねて綺麗に丸洗いしてしまうのです!

ラフジュ的に言うとこのような昭和期に作られた新しい重ね箪笥は個々にローボードなどにリメイクを行う素材になるので、必ず表面処理が必須になるわけです。

 砥の粉も汚れも綺麗に洗浄されて、桐の木目の良く見える素の状態になった箪笥達!

洗ったことにより水を沢山吸って膨らんだ箪笥は引き出しも入らない状態なのでリペア前にはしっかりと乾燥させます。

ここから箪笥達はそれぞれにヒノキの無垢材天板や、かっこいい脚を取り付けられてラフジュ工房オリジナルのリメイク家具にリペアされていきます!

リペア後、箪笥達は最後の工程「フィニッシング」へと、期待に胸を膨らませて倉庫で待機するのでした。

リペアの後はフィニッシング!

さぁ、箪笥に色が付けらる最後の工程「フィニッシング」が始まります!!!

着色、ワックスとこれから二つの作業を行っていきます。いやぁ、緊張してきましたね!

ではまず内部から着色していきましょう!

塗る面が広いのでハケではなくスポンジと使って勢いよく塗っていきます。一気に塗れるのでとても気持ちいいですねー!!

内部の着色完了です!

浸ける塗料は多すぎるとヒタヒタになって隅に溜まったり色ムラにもなるのでスポンジに付ける量、塗る面の順番は計画的に進めるといいですね!

外側もどんどん塗っていきます!

表面の「砥の粉」や汚れをを綺麗に洗浄してもらったおかげで綺麗に塗料が染み込んでいきます!!

同じ所を2回も塗ってしまうとそこだけ色が濃くなってしまうので、勢いと一発勝負な緊張感もありますね…!

着色完了、ローボード一丁上がり!

今回は二台同時仕上げで行っているのでもう一台もやっていきます。

 できました!着色後は表面にワックスをすり込んでで落ち着かせます。

こうすることで表面にしっとりとした艶が生まれ、色にも深みある仕上がりになるんですね!

用意していた新しいガラスと金具を取り付けて完成しました!!

今回は初めてリペアからフィニッシングまでの一連の作業を一人で行いました。

そのせいなのか、立派に完成したこの二台のローボードへはいつも以上に愛情が生まれてしまいました(笑)

売れてお客様の元へ行ってしまう時は親のような気持になってしまい少しうるっと来てしまいそうですね…!

帳場箪笥も綺麗にフィニッシング!

先ほどのローボードに引き続き次は時代箪笥の「帳場箪笥」に挑戦です!!

前回とは違い、まばらに色が薄くなっていたりしてます。そんなことも考えながらワンランク上のフィニッシングに挑戦です!

こちらもまずは色を塗る前に全体のチェックから始めます!

表面のささくれや虫食いの処理、汚れのチェック。この表面には色がしっかり入ってくれるのかなどを確かめます。

時代箪笥として年月の経った渋い表情の失ってしまわないよう着色前の確認は念入りに行います。

今回の時代箪笥は表面に虫食いが多く、虫食い穴を粘土で埋めた箇所が沢山ありました。

穴埋めに使った余分な粘土を拭き取っただけで表面の色まで落ちてしまったので、全体の色を均一に合わせて着色しないといけませんね。

では、やっちゃいます!

着色、仕上げのワックスと無事に全て終えました!

ところどころ下地が出てしまっていた所も綺麗に着色できました。色を塗る時は全体に均等に塗ったとしても下地の色がそのまま濃くなってしまうだけなので薄い箇所は改めて筆で調整しながら着色します。

遠くから見ても濃淡に違和感が無いよう調整しながら足し算のみの一発勝負で色を入れていくのは難しいですね!

しかし、自然の木の木目によって色が入らない箇所もあるのでそれは箪笥の表情です。

フィニッシングを行った箪笥には「深み」と「重み」が生まれて、リペア完了!という気持ちになりますね!

いやぁ…難しかったです。今回の作業はまだまだ初級の初級の作業だったようです…!

家具によって違う様々な色に合わせたり、お客様のご要望の色を調合して着色したり…綺麗に仕上げるという事がこんなにも難しい作業だったとは。

実際に行う事でフィニッシングの奥の深さを通感じて知りました。

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