こんにちは!
ラフジュ工房リペアスタッフの天野です!
アンティークに携わるお仕事を夢見て、大阪からラフジュ工房へやって来てはや一年。
毎日様々なアンティークに囲まれた刺激的で地道で埃っぽい充実した毎日を奮闘しています!
このページを見ている皆さんはアンティークをリペアするってどんな作業をしてるだろう?工房では普段何をやっているんだろう?って気になった事はありませんか??
お洒落でかっこいいアンティーク家具と向き合う工房スタッフの日常や作業レポート、ちょっとビックリな出来事などなど今まで見る事の出来なかったラフジュ工房リペアスタッフの活動日記を月単位でこのブログで発信していきたいと思います。
では、本編に行ってみましょう!
目次
買い取ってきた家具の荷下ろしから!
この月の一番暑い日でした、工房スタッフは倉庫前に集められると買取スタッフがトラックいっぱいにアンティーク家具を買い取って帰ってきました!
トラックの荷台が開く瞬間どんな家具がやってきたのか、とてもワクワクです。
トラックの荷台にはまるでテトリスのように隙間なくアンティーク家具がぎっしり!!
大きさ形、重量などいかにたくさん安全に運べるか考えられて積み込まれているので買取スタッフの指示に従ってどんどん降ろしていきます。
順調にアンティーク家具を降ろしていき、最後に姿を現したのは、、、
こ、これは一体何なんだ⁉ 10メートルはあろう何かの一部。
たくさんの家具を見てきた工房スタッフもこの巨大な謎の物体には騒然です。
とりあえず、8人で力を合わせて降ろしてみる事に。一体これは何なのか皆さんはわかりますか・・・??
大きくて重たいパーツを一つ一つ組み立てていきます!力持ちのスタッフも今回はなかなか大変です。
スタッフの安全とアンティークを傷つけないように注意しながら作業を進める事20分。
そろそろ形が見えてきましたね。
さて何ができあがるのか、、、⁉ 完成はもうすぐ!!
じゃじゃーん!!
姿を現したのはとても巨大なバーカウンターでした!!
社長いわくラフジュ工房史上でもこんな巨大な一品は初めてだそうです。買取スタッフもとんでもない物を仕入れてきましたね(笑)
まるで映画のセット⁉(笑)倉庫前に突如現れたお洒落なバーカウンターのシュール過ぎる光景。
完成した姿をを確認し、ほっと一息。さぁ、バラしてしまいましょう!!
はい、今回も一旦無事に倉庫へしまう事ができました。
ここから工房スタッフが一つ一つ家具をリペアしていきます。
毎回、どんなものがやってくるかドキドキの荷下ろしは工房スタッフにとっても一大イベントです!
建具を探しに倉庫の奥地へ
売約がついた商品をラフジュ工房の誇る広大な倉庫へ探しに行くのも僕の業務の一つです。
この日も先輩と一緒に、売れた古建具を探しにお化け屋敷の奥地へと向かいました・・・
どうです!この量!!
この場所には全国から買い取って来たそのままの状態の建具のみがズラーーっと収納されています。
ここに写る古建具だけでも現在6列目まで古建具の在庫が並んでいます!(絶賛増え続け中!)
お察しの通り、この広大な倉庫で個品番号や倉庫番号を見失うと迷宮入りするので在庫管理はしっっっかり行います。
ミシンのヘンシン
ラフジュ工房前に整列した、全国から集まった役目を終えたアンティークミシン達。
これを見るとついつい我慢できず足踏みを踏んでキコキコ動かしちゃうんですよね
このミシン達、次は一体どう生まれ変わるのだろうか・・・?
ミシンを外して天板をのせたアンティークテーブルへと生まれ変わりました!
しかも、足踏みの機構はちゃんと残してあるのでキコキコ踏むと連動して横の車輪の動きも楽しめる一品です。
サイズもそれほど大きくないので、ご自宅でちょっとした作業テーブルにしたり、上に商品なんかを置いてお店で使ったりと夢が広がりますよね。
思ったんですけど、この足踏みで発電して携帯なんか充電できたら面白そうですよね(笑)
箪笥の金具も再現できるんです!
時代箪笥の金具ってとても色々なデザインがあって魅力の一つですよね!
でも、箪笥も何十年と使われている中で金具が取れて無くなってしまっていたりすることも少なくないんですよ。
時代箪笥の金具は一つ一つ手作りなので同じのを手に入れる事はできません、、、、
なのでラフジュ工房では無くなった金具を作ってしまいます!
ここでクイズ!!
上の画像の箪笥には5ケ所、ラフジュ工房で作った金具が使われています。
元々付いてた金具と、ラフジュ工房で作った金具を見破る事ができますか?
金具の製作過程を見ながら、答えは最後に発表します!
まず、見本の金具と同じ厚みの錆びさせた鉄板を短冊状に裁断します。
短冊状の鉄板の上に見本の金具ごとクランプで締め付け、一気にグラインダーで形を削り出していきます。
形が出来上がればベルトサンダーで形を整えます。
次は菊の形の金具を再現します。
これはなかなかやっかいですね、、、。
力強い金具の打ち出しまで再現するため、マイナスドライバーを加工して溝を打ち出したり、花びらを一枚一枚丁寧に削り出したりと根気のいる作業が続きます。
全ての金具が出来上がりました!
サビ液で全てサビさせて、いよいよ箪笥へ装着です。さて、答えの発表です!!
ラフジュ工房で再現した金具を見破る事は出来ましたか⁉
このように、金具それぞれにある細かい特徴まで観察して再現される金具からはラフジュ工房の箪笥に対する強い情熱が伝わってきますね。
古家具に残る無邪気だったあの頃
古い作業机の裏にこんな落書きを見つけました。
子どもの頃、狭くて暗い机の下や押し入れってとてもワクワクしませんでしたか?(僕はしました)
花?ロボット?電車かな? この絵を描いた子も、秘密基地のような机の下に隠れて自分の世界を思うがままにチョークを走らせたんでしょう。
まれに古家具は、昔の子ども達の無邪気な童心をタイムカプセルのように守っていることがあります。
机の天板はそれぞれ新品のように
いくら状態のいい机やテーブルといえど、天板の傷や汚れって気になりませんか?
でも、どれだけ綺麗に使っていてもテーブルとして使っている以上は必ず付いてしまう物なんです…
ラフジュ工房の高品質リペアでは、そんなテーブルの天板は全て一度塗膜を向いてしまって表面をツルツルに磨き上げて再塗装します。
ご覧のように、長年使い込まれた机はひどいとこんな感じでボロボロです。
天板の表面塗膜を剥がして下地をを綺麗に磨いたら、それぞれの色に合わせた丈夫なウレタン塗装を行います。
広ーい天板は、色むらにも気を付けながら熟練のスタッフが全て手作業でチェックしながら仕上げていきます。
細かい所の見逃しません!
さあ完成しました、どうでしょう!
高品質リペアをされたテーブルや机は、しっとりとした輝きを放つとても気持ちの良い天板に仕上がりになりましたね。
テーブルの天板はただ同じように綺麗に仕上げればいいという訳では決してありません。
それぞれのアンティークテーブルが持つ本来の色調や光沢感しっかりと再現する事を意識しています。
長年ラフジュ工房でアンティークをリペアするスタッフの経験と高い技術が要求される難しい作業です。
外でも使える破れない障子⁉
室内だけじゃなくて、外でも使いたい、、、そんな夢みたいな障子紙ってあるのかなぁ、、、、、あるんです!!
これはアクリワーロンと言います。和紙等の天然素材の衣装を忠実に再現した耐光性や加工性にも優れたアクリル樹脂板がその夢を叶えてくれます!
こんなご要望がありました。
玄関で使うこの建具にどうしても障子を使いたい。
紙の天敵である強い日差しや雨などをもろに受ける玄関で使うという難題、、、
そんな時は、アクリワーロンの登場です!
どうですか⁉アクリル樹脂板なのに完全に和紙にしか見えないですよね!
樹脂なのに和紙と同じ質感や遮光性を持ち、割れにくく水洗いまでできてしまうという本当に凄い素材です。
どんなわがままにも全力で応えるラフジュ工房です。
今回もお客様の夢を叶えるご要望通りの建具が完成しました!
時代に変化した新しいアンティークは、お客様のご要望から誕生します!
どんなご要望も是非一度ラフジュ工房へご相談を。
モルタル家具に挑戦!
下段が無くなってしまったショーケースがリペアされていました。
元々の下段をイメージして作り直すのではなく、今回はモルタルを使ったラフジュ工房オリジナルの大型ショーケースへと仕上げていたようですね。
上段のショーケース部分は、元々塗られていた塗膜を一度剥離剤で剥離し、ナチュラルな木の雰囲気に仕上げています。
なるはど、そうする事でモルタルで表面を仕上げた下段と、異素材ながらも相性のいいモダンなショーケースに仕上がっていてとてもかっこいいですね。
モルタルってどのくらいの強度があるのか手で叩いてみましたが完全に石でした。
ズッシリと重く、十分強度もあるモルタル。
ラフジュ工房のオリジナル家具やオーダー家具の可能性を広げてくれる優秀な素材ですね!
新プロジェクト、動画の撮影が始まりました!
ラフジュ工房では、お客様により安心してアンティーク家具を購入して頂けるよう家具の紹介動画の撮影が始まりました。
支給されたスマホを使い、リペアスタッフ総出で倉庫の家具を一点一点マニュアルに従って全体を撮影していきます。
「みんなでやるから一週間ぐらいでおわるやろう。」
正直気楽に考えてしまっていたこの作業。この時はまだ知らない、倉庫に保管された1000台以上もある膨大な家具達が徐々に我々に牙を剥き始める事を、、、。
真冬の寒さがそのまま残る倉庫の中。収納した家具を開けた撮影場所まで一台一台運び出し、撮影してはまた戻すという作業は体力自慢のリペアスタッフの気力と体力を想像以上に奪っていきました….。
中でも倉庫の二階は天井が低く、椅子など背の低い家具がギッシリ収納されているので体勢的にもかなり辛い撮影が行われていました。
腰痛にでもなったら大変です。リペアスタッフ生命が掛ってるからほんとに気を付けないと…!
寒くて過酷なこの動画撮影を「シベリア」と呼ぶようになったスタッフも多分いるんじゃないだろうか。(もしかして俺だけ⁉)
家具のラックは天井付近の三段目までぎっしりと収納されており、もちろんそれらも全て降ろして撮影です。
テーブルは天板を傷付けないように梱包して保管いるので、それも全て取り外し撮影を行います。
家具を動かす時は絶対にを傷付けないよう緊張感を持ちながら時には2.3人で協力して効率的に撮影を進めます。そんな中でも家具の良さがよりお客様に伝わるよう撮影する気持ちだけは皆同じでした。
約3週間の地道な努力の末、全ての家具撮影が終わりました。
寒い、家具重い、何回も撮影のやり直し…正直僕にはかなり辛い作業内容でした。
後に、撮影した動画を付けた加えた商品ページを見て思ったの事は、動画ならではの説得力があるという事。
それは家具をリペアする側の僕だから思う事があったからなのかもかもしれない。
自分達が心を込めてリペアした家具の実際に動く姿を動画から皆さんに分かってもらえるという事で、動画からさらに詳しく家具をイメージしてもらい、より安心して納得した家具をラフジュ工房からご購入してもらえるという事。
商品の動画はもっと見たい場所などのご要望も受け付けています。ラフジュ工房から家具をご購入される際に動画がとても参考になったなら頑張って撮影して良かったって思います!
ラフジュの秘密兵器
飾り棚なんかでよく見る透かし彫り。木を彫って作られた繊細なパーツなので壊れてしまっていることもたまにあるんですよね。
そんな時は、ラフジュ工房が誇る秘密兵器レーザー加工機の出番です!
無事に残っている透かし彫りから部分から欠損した箇所のデザインをパソコンで再現していきます。
そして出来上がったのがこちらです。右の2つが欠損した元のパーツ。左の2つがそれらを元に再現したパーツです。
実際にスタッフが手作業で同じものを作ってしまうと時間やコストがかかってしまうので、こんな時はレーザー加工機がほんと頼りになります。
(ちなみにこのレーザー加工機は、木の板へイラストや組子状に模様をを彫ったり、ガラスにも模様を刻んだりできるのでまたその紹介もしていきます!)
一部欠けてしまった部分はこのように木を足して修理します。
飾り棚本体と同じように着色を施しました。とてもいい感じですね!
今は色んな最新の技術やテクノロジーを使ってこんなのもすぐに作れちゃうのは本当に凄いことですよね!
でも、時間をかけて作られたであろう透かし彫りが機械で一瞬に出来上がるとこを見ると何とも言えない複雑な気持ちになってしまいました。
職人魂の籠った本物の良さ、こういう考えも時代の変化でこれからどう価値観が変わっていくものなのかなって…。
最後に
最後までみて下さってありがとうございます!皆さんが想像していた日常風景でしたか?
紹介した4月に起きた出来事も実は記録できたほんの一部なのです…
次の5月編ではさらに勢いを増して沢山のエピソードや工房活動を発信して行きますので是非お楽しみに!
以上、ラフジュ工房リペアブースからでした!