おしゃれな下駄箱で玄関をもっとおしゃれにしたい!この記事にたどり着いた方はきっとそんな事を思い描いているのではないでしょうか。
アンティーク下駄箱とひと口に言っても、実はとっても種類が豊富。よく学校やおばあちゃんの家の玄関でみたようなレトロなものから、アンティークをリメイクしたものまで、意外にも選択肢はいっぱいあるんですよ。
ただ、アンティークの下駄箱を選ぶにあたっては、デザインはもちろん、収納力や価格、使っていく上でのお手入れ方法なども気になることも多いですよね。また、検討中の方のなかには、アンティーク風の下駄箱をDIYしたいという方もいらっしゃるかもしれません。そこでこの記事では、アンティーク下駄箱の選び方から、DIYの手順、長く使っていくためのお手入れ方法まで、とことんご紹介したいと思います。
目次
アンティーク下駄箱の種類は大きく6つ!デザインと使い勝手を解説
アンティーク下駄箱は大きく6種類のデザインがあります。まずはそれぞれの特徴についてご紹介します。
レトロな扉!パタパタ扉のアンティーク下駄箱
まずご覧いただくのは、アンティーク下駄箱の王道であるパタパタ扉のシューズラック。上下に開閉する扉がかわいらしく、レトロ家具の中でも人気が高いアイテムです。もともと下駄箱として使われていたアンティークやヴィンテージもののシューズラックや、古材を使ってリメイクした靴箱などがあり、どれも古い木の温かい雰囲気が漂っています。
パタパタ扉は、開けて手を離すと自動的にパタンと閉まるので、閉じる手間がなく、楽に開閉することができます。ただ、手が荷物でふさがっている時などは、一度片手で扉を開けて、扉を押さえながら靴を取り出さなければならないので、多少不便に感じることも。ものによっては、扉を一定の高さまで開けると、そこで一旦固定できるものもあるので、そのタイプであれば片手でもスムーズに靴を出し入れできます。どちらのタイプかは見た目では判断できないので、直接確かめるか、ネットショップの場合は問い合わせてみるのがおすすめです。
パタパタ扉の下駄箱は、様々なサイズのものがあり、収納部や扉のサイズも幅広いのが特徴です。こちらのように、1段が幅広いものやもっと高さのあるものなどもあるので、お手持ちの靴の種類や量に応じて、お好みの靴箱を探してみてください。
「パタパタ扉のアンティーク下駄箱」の商品一覧はこちら
どこか懐かしい、マス目棚タイプのアンティーク下駄箱
続いては、学校などでも馴染み深い、レトロなマス目棚タイプのアンティーク下駄箱です。シンプルで素朴なデザインのものが多くあります。
マス目棚タイプのアンティーク下駄箱は、扉がないオープンタイプのものや、リメイクして引き戸や扉がついたものがあります。扉がないタイプのメリットは、靴の出し入れがしやすく、下駄箱内の通気性が良いこと。逆に扉付きのタイプは、通気性はあまりよくありませんが、ホコリなどから靴を守ってくれます。お好みに応じて検討してみてください。
マス目棚タイプもサイズが幅広いのが特徴です。大きいサイズだと高さが2m近いものもあり、玄関上のスペースまで、空間を有効に活用できます。
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昭和レトロさが漂う、ロッカータイプのアンティーク下駄箱
ロッカータイプのアンティーク下駄箱は、かつて銭湯や寄席などで使われていたもの。鍵付きのものや、番号や文字が残ったレトロなデザインのものもあり、昭和レトロなインテリアにぴったりのアイテムです。
ロッカータイプのアンティーク下駄箱は、主に業務用として使われていたため、現在まで残っているのは大きなサイズのものが多いです。しかし、まれに家庭でも使えるような小ぶりなサイズのシューズボックスも出回ります。気になる方はこまめにアンティークショップの新着商品をチェックしてみてください。
より詳しくアンティークロッカーのデザインについて知りたい方は、以下の記事もご覧ください。パタパタ扉タイプやマス目棚タイプなど幅広くご紹介しています。
「おしゃれ収納の頼れる相棒!アンティークロッカーのデザインをご紹介」のRAFUJU MAGページはこちら
玄関が狭くても使いやすい。引き戸タイプのアンティーク下駄箱
引き戸タイプのアンティーク下駄箱は、扉を開くスペースが必要ないので、狭めの玄関でも使いやすいです。アンティークガラスが入った昭和レトロなものや和風のデザインのものなどがあります。
引き戸タイプは、収納部のサイズがまちまちで、棚の高さが調節できるものなどもあり、背の高いブーツや掃除用具などを入れておくにも便利です。家の玄関にちょうど良いサイズのものが多く、デザインのバリエーションが豊かなのも魅力です。
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和モダンな玄関に、箪笥サイドボードタイプのアンティーク下駄箱
こちらは、水屋箪笥をサイドボードにリメイクした収納棚で、アンティークの下駄箱として人気のアイテム。箪笥サイドボードの中でも、引き戸タイプのものや、引き戸と引き出しが付いたものなどが主に玄関の収納家具として使われます。当店の箪笥サイドボードなら、棚板の高さ調整や取り外しもできるので、収納する靴の高さに合わせて使えますよ。
箪笥サイドボードの魅力は、やはり上質な和の佇まい。美しい欅材の木目を堪能できるものや、迫力のある太い框のもの、繊細な縦桟の格子が入ったものなど、高級感のある和製アンティークならではのデザインを楽しめます。幅が大きめで存在感のあるものが多いため、広めの玄関や土間があるお宅、店舗のエントランスなどにおすすめです。
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見せる収納を楽しめる、オープンラックタイプのアンティーク下駄箱
オープンラックタイプのアンティーク下駄箱は、扉や側板がなく通気性が良いため、湿気がたまりにくく衛生的です。棚幅が仕切られてないものが多く、お手持ちの靴に合わせて自由に収納しやすいのもポイント。間隔を詰めてたっぷり収納したり、見せる収納を楽しんだり、お好みに応じて収納できます。
オープンラックタイプの下駄箱は、先に紹介したような、和製アンティークやヴィンテージの木製のものや、こちらのような古材の木やアイアンを使って製作したタイプなどがあります。シンプルなデザインのものが多いので、インテリアに馴染みやすく、圧迫感があまり出ないのがうれしいですね。
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玄関の広さや靴のボリュームに応じて下駄箱サイズを選ぼう
当店を含めたアンティークショップで販売している下駄箱は、もともと別の用途に使われていた家具もあり、収納部のサイズが様々です。選ぶ前に、靴の収納にはどれくらいのサイズが適しているのか把握してから検討していきましょう。
下駄箱の収納部の奥行きは、31~35cm程度あればOK
棚の奥行きのサイズは、一般的なスニーカーやパンプスなどの場合、靴のサイズにプラス1~1.5cm、男性もののビジネスシューズの場合、靴のサイズにプラス3~4cmするのが基本です。例えば、28cmのビジネスシューズをお持ちの場合、下駄箱の奥行きは31~32cm程度必要ということになります。
下駄箱の棚幅が90cm程度なら、1段に4~5足収納可能
一般的な靴の横幅は17~21cm程度。そのため、例えば棚幅90cmの棚が5段ある下駄箱なら、1段に4~5足、全部で20~25足収納できます。また、棚幅120cmで7段ある下駄箱なら、1段に6~7足、全体で30~35足収納できます。
下駄箱の棚の高さは15~20cm程度必要
一般的な靴のサイズだと、棚の高さは15~20cm必要です。ブーツや長靴など背の高い靴を持っている場合は、靴の高さを測って、それに合わせて下駄箱を選びましょう。アンティーク下駄箱の場合は、高さに余裕がありすぎるものもあるので、靴を効率良くたくさん収納したいという方は注意してお選びください。
理想のサイズのアンティーク下駄箱が欲しいなら、オーダーサービスを活用
せっかくなら玄関スペースにぴったりのサイズのアンティーク下駄箱が欲しいという場合は、アンティーク風のレトロな下駄箱を希望のサイズで製作してくるオーダーサービスを活用するのがおすすめです。
当店では、基本的にパタパタ扉タイプの下駄箱についてサイズオーダーを受け付けています。また、他にも販売中の家具でご希望のものがあれば、リサイズ加工ができる商品もあります。サービスは特注料金が必要になりますが、その分、自社工房で丁寧に製作し、質・デザインともに高品質のものをお届けしますよ。お好みのものがあれば、ぜひお気軽に当店までお問い合わせください。ご希望のサイズやデザインに応じて、お見積もり価格や所要期間をご案内します。
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玄関インテリアに合わせて、アンティーク下駄箱の素材や色を選ぼう
続いては、アンティーク下駄箱の素材や色に注目していきます。ご自宅の玄関インテリアにはどんなものが合うのか、探っていきましょう。
素朴でレトロな雰囲気を楽しむなら、木製のアンティーク下駄箱がおすすめ
木製のアンティーク下駄箱は、色濃く変化した木肌や細かな傷などから、古いものならではの味わいが深く感じられるのが魅力です。素朴なレトロテイストや古民家スタイルなどが好きな方におすすめです。家に帰り着いたらほっと一息つけるような、温かみのある玄関を演出してくれます。
ナチュラルテイストが好きなら、ペイントされたアンティーク下駄箱
シャビーなペイントが施されたアンティーク下駄箱は、ナチュラルスタイルにおすすめのアイテム。白いペイントカラーのものは、空間と馴染みやすく玄関をすっきりと見せつつも、程よい味と可愛らしさを醸し出してくれます。グリーンとの相性も良いので、玄関に植物を飾りたい方におすすめです。
ヴィンテージインテリアに!アイアンやスチール製のアンティーク下駄箱
アンティークのアイアンやスチール製の下駄箱は、ヴィンテージインテリアにぴったりです。革靴やスニーカーなどメンズライクなシューズと相性が良く、見せる収納を楽しめます。サビ具合やペイントの有無などによっても雰囲気が変わってくるので、玄関のテイストに合わせてお好みの靴箱を探してみてください。
玄関インテリアを左右する、下駄箱扉のデザインや素材にも注目!
玄関インテリアにこだわるなら、下駄箱の扉にも注目してみてください。扉は、下駄箱の中でも最も目に留まる部分ですので、ぜひこだわって選びましょう。
木製扉は、中身を隠してスッキリとしたインテリアに
玄関はシンプルですっきりとした雰囲気にしたい方には、木製扉のアンティーク下駄箱がおすすめです。バラバラなデザインの靴をしっかり隠してくれるので、整理整頓された印象を保つことができます。
ガラス戸なら、シューズをインテリアの一部として楽しめる
アンティークの下駄箱は、木製扉のものが多いですが、ガラス戸がついたものもあります。好きな靴をコレクションしている方など、靴を実用以外にインテリアとしても楽しみたい方なら、ガラス戸の下駄箱がおすすめです。靴をホコリから守りながらディスプレイできます。ただ、ガラス部分やはめ込み部分が汚れやすいので、掃除が面倒だという方にはあまりおすすめできません。
また、レトロガラスが使われたアンティーク下駄箱は、ノスタルジックな雰囲気が魅力的です。玄関でもレトロテイストを楽しみたいという方はぜひチェックしてみてください。
また、レトロガラスは好きだけど、玄関をあまりゴチャゴチャとした印象にはしたくない、という方は、気泡ガラスやゆらゆらガラスなど中身がはっきりと見えるものは避けて、ダイヤガラスや銀モールガラスなどモザイク性の高いものを探すといいですよ。比較的ごちゃついた印象が軽減されます。
もう一つガラス戸の注意点として、ガラスの状態によっては、頻繁に扉を勢いよく開閉をすると、ガラスにひびが入ったり、割れてしまう恐れもあります。また、アンティークショップによってリペアの質に差があるため、ガラスが扉にしっかりと固定されておらず、乱暴に扉を開閉するとガラスが外れてしまう可能性も。ですので、特にガラス戸タイプの下駄箱を選ぶ際は、アンティーク家具のリペアに定評があり、しっかりとアフターメンテナンスまでしてくれるショップを選ぶことをおすすめします。
ガラスが割れてしまった!なんて場合も安心。ラフジュ工房のアフターメンテナンス
アンティーク家具は使ってこそ生きる家具。だからこそラフジュ工房では販売後のアフターメンテナンスにも力を入れています。万が一「引き戸のガラスが割れてしまった」「ワックスを再塗装したい」といった場合もメンテナンスを受け付けていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
「ラフジュ工房のアフターメンテナンス」はこちら
靴箱は脚付きを選ぶべき?日々の掃除やメンテナンスが楽に
アンティーク下駄箱は、脚付きを選ぶことをおすすめします。作り付けのシューズラックがなく下駄箱を後から置く場合、どうしても壁や床との間に隙間ができてしまいます。すると使っていくうちにホコリや砂が隙間に入り込んでしまうので、掃除のたびに下駄箱を移動させてゴミを取らなければなりません。その点、脚付きの下駄箱であればホウキや掃除機が棚下へ入るので、そのまま掃除ができます。
また、玄関は湿気が溜まりやすい場所ですが、シューズラックや靴に湿気は大敵です。脚付きの下駄箱の方が床との間隔があるので、比較的湿気が溜まりにくく、カビや匂いの心配も軽減されます。
アンティーク下駄箱の気になる価格帯
アンティーク下駄箱は、デザインやサイズによってバラつきがありますが、おおよその価格帯についてご紹介します。ご紹介する価格帯よりもかなり安く手に入るものは、ほとんどリペアがされていないものが多いです。そういったものは、汚れや傷みがひどかったり、扉がスムーズに開かなかったりと、購入してからご自身の手でリペアやメンテナンスが必要になります。DIYやリペアが好きな方以外にはおすすめできません。
レトロなパタパタ扉のアンティーク下駄箱
- 棚がマス目状のパタパタ扉タイプのアンティーク下駄箱
(価格帯)棚1マスにつき1万円程度
(例)棚が6マスあるものなら6万円前後
マス目棚の数や配置によって価格にばらつきがあります。
- 棚幅が広いパタパタ扉タイプのアンティーク下駄箱
(価格帯)
棚数4~5段 約3.5~9万円
棚数6~10段 約7~13万円
オークションサイトなどでは、リペア前の家具でより安いものも手に入ります。
マス目棚タイプのアンティーク下駄箱
- 扉が付いていないマス目棚タイプのアンティーク下駄箱
(価格帯)棚1マスにつき約3,000~6,000円
(例)棚が9マスあるものなら2.7~5.4万円前後
靴箱の天板が補強されているか、ペイントされているかなどリメイクの有無によって、価格が高くなる傾向にあります。また、極端に大きなサイズの下駄箱は、上記で算出される価格よりも安いものが多いです。
- マス目ごとに扉が付いているアンティーク下駄箱
(価格帯)棚1マスにつき約7,000~13,000円
(例)棚が9マスあるものなら6.3~11.7万円前後
扉にガラスが入ったものや天板が補強されているもの、引き出しが付いているものなどは、さらに価格が高くなる場合もあります。
- 前面にまとめて引き戸や扉が付いているアンティーク下駄箱
(価格帯)棚1マスにつき約5,000~7,000円
(例)棚が9マスあるものなら4.5~6.3万円前後
マス目ごとに扉が付いている下駄箱と比べると、安い傾向にあります。
ロッカータイプのアンティーク下駄箱
(価格帯)棚1マスにつき約3,000~10,000円
(例)棚が9マスあるものなら2.7~9.0万円前後
こちらも、極端に大型のものは、上記の算出価格と比べて安価なものが多いです。また、文字やネームプレートが付いたもの、レトロガラスが入ったものなど、珍しい個性のあるものは価格が高くなるものもあります。
引き戸タイプのアンティーク下駄箱
- 一般的サイズの下駄箱(幅60cm~90cm)
(価格帯)3~8万円前後
- 幅が広いタイプの下駄箱(幅90cm以上)
(価格帯)5~16万円前後
価格帯が幅広いですが、リペアがしっかりされているほど、また、サイズが大きくなるほど価格が高くなる傾向にあります。
箪笥サイドボードタイプのアンティーク下駄箱
(価格帯)9~20万円前後
デザインや箪笥の種類によってこちらも価格帯が幅広いです。欅材など高級材が使われているものや、作り込みが良いものは価格がかなり高く、素朴でレトロなものほど安くなる傾向にあります。歴史的・工芸的価値のあるアンティーク箪笥だと、30万近くまで値が張るものもあります。
オープンラックタイプのアンティーク下駄箱
- 一般タイプの下駄箱(高さ120cm以下・幅60cm~90cm)
(価格帯)2.5~6万円前後
- 幅が広いタイプの下駄箱(高さ120cm以下・幅90cm以上)
(価格帯)4.5~8万円前後
- 背が高いタイプの下駄箱(高さ120cm以上・幅60cm~90cm)
(価格帯)4~10万円前後
下駄箱のサイズが大きいほど、価格が高くなる傾向にあります。
アンティーク風の下駄箱・シューズボックス
- 一般タイプの下駄箱(高さ120cm以下・幅60cm~90cm)
(価格帯)1~5万円前後 - 幅が広いタイプの下駄箱(高さ120cm以下・幅90cm以上)
(価格帯)2~6万円前後 - 背が高いタイプの下駄箱(高さ120cm以上・幅60cm~90cm)
(価格帯)3~10万円前後
本物のアンティーク品と比べて、アンティーク調のものは比較的安い価格で手に入ります。特に、サイズが小さなものはアンティーク品との価格差が大きいです。ただ、作り込みがしっかりしたものや、サイズの大きなものは価格が高い傾向にあります。
予算が限られている場合は、アンティークやヴィンテージ(ビンテージ)ものの下駄箱を購入するのではなく、自分で作るという方法もあります。当店でもパタパタ扉の下駄箱のような、アンティークらしいレトロなデザインの下駄箱を製作していますので、当店オリジナルのDIY手順をご紹介したいと思います。
ラフジュ工房直伝!ハイクオリティなアンティーク風下駄箱のDIY方法
今回ご紹介するのは、アンティーク下駄箱のなかでも人気の高いパタパタ扉タイプ(3×3マス)のアンティーク風下駄箱を作る方法です。アンティーク家具を豊富に扱っている当店ならではの知識を活かして、基本的な製作手順をはじめ、クオリティを上げるコツ、アンティーク調に仕上げるポイントまでしっかりと触れていきますよ。
アンティーク下駄箱製作に必要な材料・工具
まずは、アンティーク風の下駄箱作りに必要となる、材料や工具をご紹介します。
1.下駄箱の材料となる板材を準備
- 天板 786×320×18mm 1枚
天板は強度を考えて厚さ18mm以上のものを使用してください。
- 側板 657×320×16mm 2枚
天板、背板以外は厚さ16mm前後の板をご使用ください。
- 棚板(縦) 633×320×16mm 2枚
- 棚板(横)と棚底 738×320×16mm 3枚
- 背板 786×681×3mm 1枚
- 扉 193×228×16mm 9枚
上記のサイズが切り出せる大きさの木材を余裕をもって用意しましょう。木の種類は何でもお好みでOKです。また、ペンキを塗装する場合などは特に、無垢材ではなく合板などを使っても安くきれいに仕上がります。
板材を選ぶ際の注意事項としては、強度を保つため、厚みは上記のサイズかそれよりも厚いものを使用してください。ちなみに当店では背板以外は厚さ24mmのものを使用しています。見た目の印象なども含めて参考にしてみてください。
また、アンティークらしい雰囲気を出すために、古材を使うのもおすすめです。サイズや予算によって古材を手に入れるのが難しい場合は、新材をアンティーク風に加工するか、前面の扉など目立つ部分だけ古材を使う方法もありますよ。お好みに応じてホームセンターやネットショップ(古材ジャパン、WOODPROなど)などで探してみてください。
2.下駄箱のパーツを用意
- 脚パーツ
棚のDIY用として脚パーツが販売されていますので、既製品を使うと楽に制作できます。木製やアイアン製のものがありますので、お好みでお探しください。DIYに自信のある方は、もちろん脚まで手作りしてもOKです。
木製脚の既製品を購入する際の注意点として、既製品は塗装済みのものが多いため、後から好みのカラーに着色するにはペンキのような塗膜を作る塗料を使う必要があります。ステインなどによる着色をしたい場合は、無塗装の木製脚パーツをお探しください。当店でも無塗装の木製脚を販売しております。価格は4本セットと補強用バーが付いて20,000円(税別)です(ご希望サイズでお作りします)。補強バーは棚が重みで歪むのを防ぐ役割があります。よろしければご利用ください。
- 蝶番 18個
蝶番はパタパタ扉の取り付けに使用します(扉がないオープンタイプにする場合は、蝶番は不要です)。
強度を考えて、ある程度厚みがあり、幅が30mm前後あるものを選んでください。材質としては、アンティークらしい雰囲気を出すなら、真鍮製のものがおすすめです。使っていくうちに使い込んだような風合いが増していきます。ただ、真鍮製のものは高いので、コスト減を重視するならアンティーク風の蝶番を選んでももちろんOKです。
- 取手(ハンドル) 9個
蝶番と同じく、真鍮製のものだと段々とアンティークらしい風合いが出てきます。当店でも販売していますので、よろしければごらんください。
「アンティークハンドル」の商品一覧はこちら
3.靴棚の着色・仕上げ剤を準備
ペイントする場合に必要なもの
- 水性ペンキ(室内用)
水性の室内用ペンキであれば、種類はどれを選んでも構いません。室内用水性ペンキの特徴は、油性のものと比べて臭いが少なく乾きが早いこと。また、ハケや容器は乾く前に水で洗えばきれいになるので、後片付けも楽です。
着色・ワックスで仕上げる場合に必要なもの
- ワシン ポアーステイン(着色剤)
- ブライワックス(ワックス剤)
- 塗装用ハケ
- ワックス塗布用のウエス(不要な布)
着色剤とワックスはお好みの色のものを選んでください。
4.下駄箱DIYに必要となる工具
(画像左上から)
- 木ダボドリル(ダボ穴開け用8mm)
- ドライバードリルのドリル刃とドライバー
- マスキングテープ
- 鉛筆
- メジャー
- マイナスドライバー
- 金槌
- ノコギリ(大・小あると作業がしやすいです)
- 接着剤(木工用ボンド)
- 木ダボ(長さ20mm・太さ8mm) 約80本
ダボは外側の見える部分にビス頭を隠すために使用します。見栄えが格段にアップします。
- スリムビス(長さ60mm・20~30mm 各約80本)
太いものだと木が割れてしまうため、必ずスリム型を選んでください。短いものは棚板の補強用に使用します。今回は、よりアンティークらしく仕上げるため、錆びた釘やミニビスも用意しました。
- マイナスビス(長さ16mm) 約72本
マイナスビスを使うと、よりアンティークらしい雰囲気が出るので、扉の蝶番など見える部分に使用します。ない場合は、通常のビスでも代用できます。
- カンナ
- ヤスリ
(画像左から)
- 不要な毛布など
作業中に家具を傷つけないよう、必要に応じて家具の下に敷いて製作しましょう。
ねんどは、木ネジやクギの頭を隠したり、木の節を埋めるために使用します。
- さしがね
- 直定規
(画像左・手前から)
- 卓上丸ノコ、丸ノコ
丸ノコがなければノコギリで代用可です。大きな木材のカットは大変なので、ホームセンターで購入後にカットしてもらうか、希望のサイズにカットしてくれるショップで購入しましょう。
- ドライバードリル
画像にはありませんが、上記の他にランダムサンダーもあれば便利です。ランダムサンダーは木材の表面をなめらかにしたり、面取りをするために使用します。なければヤスリで代用してください。
製作予算は?アンティーク風下駄箱のDIYにかかる費用
上で紹介したような基本的な工具が揃っている場合、古材を使ってDIYすると6万円前後かかります。また、ホームセンターでよく見かけるような、パイン集成材の新材で製作すると3万円前後で製作できます。予算に合わせてお好みの材料を選んでみてくださいね。
いよいよ実践!パタパタ扉タイプのアンティーク風下駄箱DIY手順
- 作りたい下駄箱のサイズやデザインを決める
まず、設置する場所のサイズを測り、下駄箱のサイズを決めます。2章でご紹介したサイズの目安を参考に、検討してみてください。その際、横幅などは設置できるギリギリのサイズで作らずに、少し余裕をもって作ると後でサイズに誤差が生じたとしても安心です。
どれくらいのサイズで作るか決めたら、棚の数やサイズ感などをスケッチしながら決めていきます。イメージが固まったら必要に応じて図面を起こし、材料の寸法や数量を割り出します。
- 下駄箱の材料、工具などを用意する
次に使用する木材やパーツ、工具などを用意します。7-1で紹介した材料リストを参考に準備してみてください。
- 必要な寸法に合わせて、板材からどう切り出すか考える
用意した木材の大きさに応じて、必要な部材をどう切り出すか検討します。この時、切り出し方を描いた図面を用意すると、よりスムーズに墨付け作業が進められます。
- 下駄箱の板材に墨付けし、カットする
切り出し方が決まったら、用意した材料にカットする線や穴あけの位置などを書き込んでいきます(墨付け)。直定規やさしがね、メジャーなどを使いながら、鉛筆などで書き込みます。墨付けができたら丸ノコやノコギリなどを使って、部材をカットします。
下穴を開ける位置
カットや穴あけ位置の目安は、画像の通りです。ビスを打つ位置は、端の場合はフチから20mmの箇所に、間隔は100mmごとを目安にしてください。
- スリムビスとダボ用の下穴を開ける
カットができたら、スリムビスやダボを入れるための下穴を開けます。ダボ穴は8mmのキリで、スリムビス用の細い穴はドライバードリルなどを使って開けます。
- 棚板を組み合わせるための「ほぞ」と「ほぞ穴」をカットする
棚板カット線(ほぞ・ほぞ穴)
「ほぞ」とは、2つの部材を組み合わせる際に、片方の部材に作る突起のこと。もう片方の部材の突起を受ける穴は「ほぞ穴」と呼ばれます。靴棚のマス目状になった棚板を接合するため、各棚板が組み合わさる部分を、板の厚みに合わせてカットします。
カットして組み合わせると、このようなマス目状の棚になるイメージです。
ほぞをカットするコツをご紹介します。まず、カット線に沿って長辺をカットします。縦横の棚板がしっかりと組み合わさるよう、板の中心よりも気持ち大きめに切っておきましょう。
続いて短辺を切り落としますが、普通に切ろうとするとなかなか大変です。そんな時は、下の画像の点の部分にドライバードリルなどで穴を開け、金づちなどで叩くと簡単に切り離せますよ。
- 下駄箱の背板以外を組み立てる
背板以外を組み立てていきます。縦横の棚板をマス目状に組み、天板や棚底、側板の下穴を開けた箇所と、棚板の接合部をスリムビスで固定していきます。
棚板が交差している箇所は、補強のため棚板の両側から短いスリムビス(もしくはミニビス)を打ちます。見栄えが良いよう、スリムビスの頭は深く打ち込み、最後は粘土で穴を塞ぎます。
- 下駄箱の見える面は、ダボを打ち込む
下駄箱の側面や天板などビスが見える部分は、ビスの上から長めのダボを打ち込みます。
その後、板面に合わせて切断します。こうすることでビスが隠れ、着色すると全体と馴染んでキレイに仕上がります。
最後に、サンダーで表面を磨き、お好みで面取りをします。アンティーク風に加工したい場合は、わざと大きめに面取りをしたり、木の表面を釘などで傷つけておきます。
- 下駄箱に扉が欲しい場合は、扉を製作
前面に扉をつける場合は、組み立てた下駄箱のサイズに合わせて、材料に墨付けをし、カットします。本体と合わせてサイズなど細かい調整を行い、どの扉をどこに付けるかわからなくならないよう、目印を書いておきます。
扉もお好みで面取りやアンティーク加工をしておきます。
扉を取り付ける場合、本体と同時進行でカットして製作する方が効率的ですが、作業に慣れていない場合などは、図面通りの寸法に出来上がらない場合が多いです。そのため、本体が完成した後に、実際のサイズを測りながら改めて扉のみを製作する方がクオリティ高く仕上がります。
- 背板をつける前に下駄箱全体をきれいに着色する
続いて、本体、背板、扉の着色を行います。お好みに応じて、着色ワックスやペイント、クリア塗装などで仕上げてください。新材を使ってアンティーク風に仕上げたい場合は、わざとペイントに擦れやムラを出したり、着色後にヤスリをかけたりして、古びた雰囲気に仕上げます。
着色は部材を組み立てる前に行うやり方もありますが、ダボなども含めて全体を美しく仕上げたければ、ある程度組み立てた後で行うのがおすすめです。特にアンティーク風にエイジング加工する場合は、組み立ててから全体の雰囲気を見ながら進める方がバランス良く仕上がります。
ただ、靴に合わせて細かく棚を作りたい場合などは、組み立ててからだと棚内が着色しづらいので、デザインに応じて作業しやすい方を選んでみてください。
- 下駄箱の扉に蝶番や取手を付ける
着色が乾いたら、扉がある場合はパーツを取り付けていきます。まずは扉に蝶番取り付け用の下穴を開け、蝶番をマイナスビスで固定します。すべての扉で同じ位置に蝶番を取り付けできるよう、端材などで「治具(じぐ)」と呼ばれる固定器具を作ると作業効率が上がりますよ(画像右上)。蝶番の取り付けが終わったら、取手もすべて取り付けます。
- 下駄箱本体に背板を取り付ける
続いて背板を取り付けます。強度を高めるため、釘と接着剤で本体に背板を固定していきます。まずは、最終的に釘を打つ場所がわかるよう、本体に背板を合わせながら釘を打つべき位置に印をつけておきます。その後、本体の接合部に接着剤を塗り、背板を接着した後、釘でしっかりと固定します。
- 扉を下駄箱本体に取り付ける
最後に扉を本体に取り付けます。この際、扉と本体に布や厚紙などを挟みながら固定すると、隙間が均一になり、扉の開閉がスムーズになります。
すべてのマスに扉を取り付けたところです。ここまで来れば、もうあと一息です。
- 下駄箱に脚を取り付ける
下駄箱を逆さまにし、脚バーツを取り付けていきます。今回は鉄脚パーツを使用しました。
- 下駄箱の細かなパーツを仕上げる
最後の仕上げとして、最後に取り付けたビスや蝶番、取手などをワックスで拭き上げます。これで完成です。
アンティーク下駄箱をきれいに使うコツは?お手入れ方法をご紹介
アンティーク下駄箱を購入するという方もDIYするという方も、下駄箱を長く使っていくにあたっては、日頃のお掃除やメンテナンスはどうすればいいのか気になるところですよね。基本的に、アンティークの下駄箱といえども、お手入れ方法は現代物と同じですのでご安心ください。ここでは、お手入れのポイントから万が一カビが生えてしまった時の対処法まで、ご紹介していきます。
アンティーク下駄箱の日常のお掃除方法
まずは、日頃のお掃除手順を覚えておきましょう。玄関掃除をする際に、シューズボックス内の掃除もまとめてやると効率的です。
- 下駄箱から靴をすべて取り出して、ホコリや砂を取り除く
まずはお掃除しやすいよう、靴箱からシューズを取り出します。その後、掃除機やホウキなどを使って靴棚内にあるホコリや砂を取り除きます。
- シューズラック全体を柔らかい布で拭く
木製やペイント製の下駄箱の場合は、乾いた布で靴棚内を拭きます。汚れがひどい場合は固く絞った濡れ布巾で水拭きしてからすぐに乾拭きすればOKです。アイアンかスチール製のシューズラックなら、固く絞った布巾で水拭きしてください。最後に靴を戻したら完了です。
日々の心がけ3つで、靴箱の匂いやカビを予防
下駄箱をきれいな状態で使うには、日頃のちょっとした心がけが大切です。ぜひ、次の3つのことを実践してみてください。
- 履いた後の靴を下駄箱へしまう時は、玄関で1日ほど放置してから
基本的に靴の中には雑菌が繁殖しており、靴に染み込んだ汗などの湿気を乾燥させずに下駄箱へ収納すると、さらに雑菌が増えてしまいます。これが靴や下駄箱にカビや悪臭を発生させる原因です。それを防ぐためにも、靴を下駄箱に入れるのは、玄関で1日くらい放置して湿気が十分になくなってからにしましょう。雨の日などは特にしっかり乾燥させてください。
- たまには下駄箱の扉を開けておく
靴を乾燥させてから収納するように気をつけていても、下駄箱にはたくさんの靴が入っているため、どうしても湿気が溜まりがちです。カビや匂いを防ぐためにも、時々は靴箱の扉を開けて空気を入れ替えるようにしてください。短時間でもこまめに開ける機会を増やすと効果的です。
- 靴棚内の匂いや湿気が気になる場合は、消臭剤や除湿剤を活用
カビや匂いの予防には、下駄箱の中に消臭剤や除湿剤を入れておくのが有効です。また、しばらく履かない靴があるときは、新聞紙を詰めておくと除湿や脱臭に効果的ですよ。ぜひお試しください。
半年に1回は丁寧な下駄箱メンテナンスを
日頃のお手入れに加えて、半年に1度を目安に靴箱の大掃除をしましょう。カラリと晴れた天気の良い日に行うのがおすすめです。
- 靴をすべて取り出して、ホコリや砂を除去
まずは、日頃のお掃除と同じように下駄箱から靴をすべて出して、ホコリや砂を掃除機かホウキ、ブラシなどを使って取り除きます。せっかくなので、靴も風通しの良い場所に陰干ししておきましょう。
- 薄めた中性洗剤を布に含ませて固く絞り、靴棚の隅々まで拭く
続いて、中性洗剤を水で薄め、布に含ませて固く絞ります。絞った布を使って、棚板や扉、ガラスなど全体をもれなく拭きあげ、汚れを落としていきます。
- 固く絞った布で水拭きする
全体を拭き終わったら、次は水のみを含ませて固く絞った布で全体を拭き、残った洗剤や汚れを取り除きます。
- 木製の下駄箱場合は、さらに乾拭きをする
木製やペイント家具の場合は、さらに乾いた布で全体を拭き、水気を取り除きます。アイアンやスチール製の下駄箱は水拭きしたままでOKです。
- しばらく扉を開けておき、完全に水気が乾いてから靴をしまう
最後に、しばらく扉を開けたまま放置し、完全に水気を乾かします。しっかりと乾燥したら、靴を収納して完了です。
SOS!下駄箱内にカビが発生してしまったら
日頃からお手入れをしていれば基本的にカビは防げますが、玄関の環境やお手入れ状況によっては、気づかぬうちにカビが生えていた!ということも。そんな時は、落ち着いて以下の手順でカビを除去してください。
- 消毒用アルコールを含ませた雑巾で下駄箱のカビをつまみ取る
靴をすべて取り出し、エタノールなどの消毒用アルコールを含ませた雑巾を使って、表面にあるフワフワとしたカビを摘んで取り除いていきます。この時、下駄箱の棚が外せるタイプであれば、取り外して行うと作業がやりやすいです。
ただし、消毒用アルコールを使うと場合によってはワックスが落ちる恐れもあります。まずは慎重に目立たないところで試してからにしてください。カビは胞子状になっていて飛び散りやすいため、カビが付着した雑巾はビニール袋に入れて捨てましょう。
- 新しい雑巾で、下駄箱の隅々まで拭いてカビを取る
目に見えるカビが取り除けたら、新しい雑巾に再び消毒用アルコールを含ませ、もう一度隅々まで拭き掃除します。
- 靴箱の扉内や棚板を乾燥させる
拭き終わったら、扉を開けたまましばらく放置し、下駄箱内を乾燥させます。棚板が取り外せるタイプのものであれば、風通しの良い日陰に干しておきましょう。
- シューズに発生したカビも取り除く
靴にもカビが発生していたら、下駄箱と同様に雑巾に消毒用アルコールを含ませ、表面のカビを摘まみ取っていきます。表面のカビがある程度取れたら、さらにカビの部分を叩くように拭いていきます。その後、通常のお手入れと同じようにブラシと洗剤などで靴を洗い、最後に酸素系漂白剤に浸け置きして消毒します。水ですすいで水気を拭き取ったら、風通しの良い場所で陰干しします。
- しっかり乾燥させてから、下駄箱へ
下駄箱と靴が完全に乾いたら、下駄箱へ靴を戻して完了です。
最後に
アンティーク下駄箱の選び方から、DIY方法、お手入れの仕方まで、知っておくと便利な情報をたっぷりとお届けしました。ご自宅の印象を左右する、玄関のインテリア。アンティークの下駄箱で、ぜひ人を招きたくなるような玄関づくりに挑戦してみてくださいね。