世界各国でさまざまなカラーのあるアンティークソファ。
理想のインテリアを想像したときに「エレガントなもの以外も知りたい!」「もうちょっと家で合わせやすいものも無いかな?」と思ったあなたのために、本日はレトロな日本のアンティークソファたちをご紹介していきます。
ヨーロッパで作られたソファよりもどこか素朴な、今の住まいでも取り入れやすいものがたくさんありますよ。
目次
日本でソファが使われるようになったきっかけ
畳の住まいが中心だった日本において、いつ頃からソファやチェアが使われるようになっていったのか、ちょっと気になりますよね。
日本において西洋風の建築が広まり始めた明治時代、時を同じくして上流階級の家庭や公共施設で、少しずつソファが普及していきます。一般の家庭でもだんだんと使われるようになったのは戦後のこと。日本においては実はそれほど昔のことではなかったんですね。
ソファはこうして日本へ広まっていき、当時のものがアンティークやヴィンテージ(ビンテージ)として流通しています。
日本のアンティーク・ヴィンテージソファはこの3種類
ヨーロッパのソファの形を踏襲しつつも、どこか素朴さが残るのが日本のアンティークソファの特徴。
今回は、よく見かける3つのタイプをご紹介していきますよ。
和洋折衷な大正ロマンのソファ
パッと見た印象、ベンチとも言えそうなこちらのアンティークソファ。
見た目の通り、アンティークショップによっては「長椅子」や「ベンチ」として扱われている事もあります。先日の「ヨーロッパのアンティークソファ」の記事でご紹介した「セティ」によく似ていますよね。
このアンティークソファは、明治時代以降、富裕層の家庭や迎賓館など、贅を尽くした洋館建築に置かれていました。
そのためアンティークでも仕入れが難しく、希少が高いソファなのです。
背もたれには透かし彫りが入ったものが多く、モチーフには当時流行したアールデコを思わせる模様が施されていました。
この頃のものは職人に作らせた特注品だったため、まったく同じデザインのものはほぼ無いと言われています。
特に、背もたれのデザインは物によって違いが出るポイントの一つ。このように、背もたれはクッションが張られているものもあれば、はしご状に木を渡したタイプのものもあります。
背もたれのデザイン一つ取って見ても、個性が広がるアンティークソファなので、ぜひじっくり吟味してみてくださいね。
ただ、本来客間に置かれていた長椅子のようなものなので、クッションに厚みがあまり無く、座面の高さも通常のソファように低く作られていなかったりします。まずはどういう空間で使いたいのかを考慮した上で、選ぶのがおすすめですよ。
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ミッドセンチュリー風の曲げ木のアームソファ
アームが特徴的なこちらのアンティークソファも、日本ではよく見られるデザインです。家庭向けに作られたソファですが、それでも持っていたのはある程度富裕層の家庭のみだったと言われています。
2~3人掛けのソファのほか、このように1人掛けのものもアンティークで入手することができます。
アメリカで流行した「ミッドセンチュリー」のデザインに影響を受けたであろう湾曲したアームが特徴ですが、アーム、脚などの細部のフォルムを見てみると、どこか素朴な印象なのがお分かりいただけるでしょうか。ソファの歴史が浅いゆえに洗練されていないとも言えますが、それが魅力でもあり、独特のレトロな雰囲気があるのです。
また、シンプルなフォルムなので、張り地の種類によっても楽しみ方が広がります。和家具や北欧家具とのコーディネートなど、幅広いコーディネートと足し算がしやすいアンティークソファですよ。
※日本のアンティークソファは、当時の住まいの広さや日本人の体型に合うように、現代のソファに比べ小ぶりなものが多いのが特徴です。3人掛けとして販売しているものでも、今でいう2.5人掛けのサイズにしかないものもショップによってはあるようです。選ぶ際は実際のサイズを見るようにするのがおすすめですよ。
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ジャンクスタイルにピッタリなベンチソファ
アンティークではないですが、今の時代のインテリアにもよく合うヴィンテージソファもご紹介しておきましょう。こちらは古い病院などの待合室などで使われていたベンチソファ。
本来の用途はロビーベンチのため、リビングソファとして使うには奥行が足りないのが正直なところですが、シーンを変わればダイニングで、ダイニングテーブルに合わせるベンチソファとして活用するのには向いていたりします。ヴィンテージから探す際、ダイニングテーブルと同じ位の幅のものを選ぶことだけ気にしておいてくださいね。
最近流行しているジャンクスタイルのインテリアに決まって登場する、アイアンをはじめとする古びた金属製のインテリアたち。
工場や公共施設で使われてきたヴィンテージ家具たちが、実はこういったコーディネートに活用されているんですよ。
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最後に
先日ご紹介したヨーロッパのアンティークソファより、ぐっとカジュアルでレトロな日本のアンティークソファ、いかがでしたか?
シンプルなデザインのものが多く、住まいに取り入れるのをイメージしやすかったのではないでしょうか。
他のインテリアとの組み合わせによっても印象はガラリと変わるので、アンティークソファのコーディネート例についても、また後日ご紹介していきたいと思います。是非楽しみにしていてくださいね。