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アンティーク家具について

町家に根付いた和家具。アンティーク階段箪笥の魅力と現代の使い方

「階段箪笥」。一体何なのか、名前だけでは想像が付かないかもしれませんね。
文字通り、階段型になっている箪笥のこと。今では考えもしませんが、2階に上がるための階段であり収納家具でもあったわけです。”箪笥の形は四角いもの” というイメージから逸脱しているその見た目は、風格を漂わせる反面、実用的な使い方もあまり知られていません。
現代でも階段箪笥と寄り添って暮らすには、どうしたら良いでしょうか。今回は、町家を中心に根付いてきた和家具であるアンティークの階段箪笥の魅力を踏まえつつ、現代での使い方をお話ししていきます。

階段であり家具。階段箪笥のはじまり

階段箪笥の歴史
別名「箱箪笥」とも呼ばれる階段箪笥は、冒頭でもお話しした通り、関西を中心とした町家から発達していったものです。この時代のいわゆる “階段下収納” は、実は箪笥の歴史よりも前だったと言われています。商いの空間で、お客さまを出迎えるためのものとしても意識されていました。
江戸時代に広まったのは、「箱梯子(はこはしご)」という建物に造り付けせずに別々に作ったもの。高さも奥行もさまざまなものがあるのは、そのためのようです。
置き家具を使って2階へ上がるという事実にもちょっと驚きですが、階段を装飾的に見せるものとしてこの時代にすでに考えられていたことも、ちょっと斬新ですよね。

階段箪笥を「暮らしの家具」に。現代での付き合い方

良い意味で個性がありながら、シルエットの印象が強い反面、魅力的に活かしきる術が分からない階段箪笥。暮らしの家具として寄り添うために、「収納」「インテリア」「空間での配置」の3つのポイントでまとめてみました。

さまざまな大きさの収納を活かす

アンティーク階段箪笥の活用例
台所の間(今でいう食事を取る場所)の正面にあることの多かった階段箪笥。家族団らんをはじめ、ひと目に付きやすい場所に置かれるようになり、造りも段々と立派になったと言われています。日本の元祖食器棚ともいえる「水屋箪笥」と同様、実際に食器や道具を入れたりするのに使われていたようです。
ただ、階段の踏み面にある程度余裕を持たせることを考えると、奥行がありすぎるのでは…とも思いますよね。実は抽斗(ひきだし)の奥行を短くするなど、収納としても使いやすいように小さな工夫が隠されていたりするんですよ。
写真で見ても分かる通り、段の形に合わせて付いている大小さまざまな収納が、現代でも幅広く活躍してくれそうです。

段段が飾り付けをより引き立たせる

アンティーク階段箪笥のインテリア例
そのままでも凛々しい階段箪笥ですが、そのステップ感を活かして飾り付けをするのもおすすめの楽しみ方です。
たとえば、和の風情に合わせて染付の磁器や植物を飾ってみたり。高さによってメリハリが必然的に生まれるので、小物が美しく映えます。
階段箪笥の飾り付けのポイントは “控えめ”。飾り立てる段数や、飾る物の数・大きさ、そして彩りを厳選することで、わびさびを押さえた美を表現できますよ。

大きさを活かし、空間の間仕切り役に

和の空間の間仕切り例
幅も高さもこれだけの大きさがあると、やはり悩んでしまうのが配置場所。背面を壁に付けて置くのが一番無難ですが、これだとせっかくの立体感を損ねてしまいます。
そのどっしりとした大きさを逆手に取って、空間を間仕切りように置いてみましょう。リビングダイニングの間に置いてみたり、リビングの中に “秘密基地” を作るような気持ちで狭い書斎部屋との間を仕切ってみたり。訪れたお客さんの目に入るように配置しつつ、その裏側に続くスペースをほど良く隔たることができます。
ただ目隠しするだけではなく、人の出入りが多い空間の中で「団らん」と「落ち着き」を上手く作り出してくれそうです。

最後に

木目の美しさや金具、収納の造りも一点一点違う階段箪笥。
伝統は、ハードルを高くするものではなく、暮らしの深みを変えてくれるものだと思います。それは階段箪笥に限らず、古い和家具全般に言えるもの。現代ならではの、あなたなりの寄り添い方を見つけて頂けたら嬉しいです。

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