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アンティーク家具について

イギリスヴィンテージ家具代表。G-PLANの歴史とデザイン

「イギリスの家具なのに北欧家具にそっくり?」
イギリスのアンティーク家具といえば、アフタヌーンティーが似合うような豪華絢爛なものを想像しますが、これがヴィテージ(ビンテージ)家具となると、シンプルでモダンなデザインのものが多いんです。
そんな「北欧スタイルのイギリスヴィンテージとそのブランド」については、以前MAGでも取り上げていますが、今回はその代表格である「G-PLAN(ジープラン)」についてさらに注目。年代別に見るデザインの歴史やG-PLANの方向性に影響を与えたデザイナーのこと…などなど、詳しくお話ししていきますよ。

E.Gomme社からスタートしたG-PLAN

G-PLANロゴ
G-PLANは、1898年創業のE.Gomme社から、1952年に発表されたブランド。
ブランドがスタートした戦後、北欧諸国近辺で有機的でモダンなスカンジアナビアン・デザイン、いわゆる現代で確立されている北欧デザインが流行します。その流れをイギリスに初めて取り込んだのがG-PLANであり、1960年代にはロンドンの都市生活者の憧れと言われるほど人気を集めました。
また、家具の背面などを見てみると入っているのがブランドロゴ。いろんなタイプのものがあってもニセモノというわけではなく、時代にともなう企業理念の変化で変えていたのでしょう。初期のものには刻印が押され、1965年以降の物にはステッカーが貼られています。右側の光沢があるものがヴィンテージで一番よく見かけるタイプで、1975年から10年程使われていたと言われています。
1987年に会社が売却されてからは、紆余曲折を経てイングランド西部にある「G Plan Upholstery」がソファ類を、スコットランドにある「G Plan Cabinets」がキャビネットの製造を、現在でも続けています。

年代で見るG-PLANデザインの移り変わり

私たちがヴィンテージで出会うことが多いG-PLANの家具は、1950~1980年代のもの。
どれも同じブランドを背負っていても、そのデザイン性は年代によって違います。その代表的な種類をピックアップしてみました。

角ばった引手が特徴的なBrandonシリーズ

G-PLAN Brandon
G-PLANのスタートととも言える、1953年に発表された「Brandon」シリーズ。
角ばったフォルムが特徴的なのは、この頃まだ丸みのある北欧デザインを取り入れていなかったからだそう。木材に関しても北欧家具定番のチークではなく、イギリスアンティークでもよく使われていたオーク材を使用しています。ライトオークの黄味を帯びた明るい木色と、レトロな装飾性とで愛らしささえ感じますね。
戦争による家具の配給制度が1952年で終わったことに加え、入念に練られた広告戦略も、イギリスでの人気に拍車をかけました。

黒とゴールドがリッチなTola&Blackシリーズ

G-PLAN Tola&Black
黒い脚と真鍮メッキがアクセントのTola&Blackシリーズは、1950年代後半に作られ始めました。ヴィンテージの中でも希少な、今でも人気のあるシリーズです。
そのネーミングにもある通り、アフリカンマホガニーによく似たトーラ材の色味と、黒塗装のコントラストでお部屋でも存在感は抜群です。デザイナーは不明ですが、G-PLANの新たな可能性を見せたことは間違いないでしょう。

北欧スタイルのはじまり。Danishシリーズ

G-PLAN Danish
1960年代になると、北欧家具の市場がイギリスへも浸透しはじめます。危機を感じたG-PLANが、デンマーク人デザイナーであるIb Kofod-Larsen(イプ・コフォード・ラーセン)を迎えて展開したのがDanishシリーズでした。北欧家具では欠かせないチーク材がここでようやく使われ始めます。
デザイン性の高さとこだわった品質から、発売当初から高値で提供されていたそう。そして今でも市場で見かけることは少ないと言われています。

現代ではすっかり定番のFrescoシリーズ

Frescoシリーズ
Danishシリーズの流れで、チーク材を使用した家具は1960年以降G-PLANの主流となります。G-PLANでもファンの多いFrescoシリーズですが、取っ手や脚の曲線、そして木目使いも洗練されているように感じます。
すっかり北欧デザインが定着したのが見て取れますが、このFrescoシリーズに関しても、コフォード・ラーセン氏が手掛けているものが多いそうですよ。中でも脚付きサイドボードやドレッサーが有名ですが、そこから派生して生まれたものなどを辿ってみても面白いかもしれませんね。

最後に

企業に歴史があれば、家具にも歴史あり。外から見ると一貫している部分ばかりに目がいきますが、細かいところで変化し続けているのが物にもきちんと反映されているんですね。
ぜひ一つのものが生まれる過程までも、”古い家具を選ぶ楽しさ” に含めていただけたら、と思います。

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