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ドロップリーフテーブルとは

ドロップリーフテーブルとは、必要に応じて天板を拡張できる折畳卓(フォールディングテーブル)の一種です。天板端に蝶番(ちょうつがい)で繋がれた垂れ下がりの板をもち、それを水平に持ち上げ、下部の支え脚等で固定し天板の拡張を可能とします。17世紀初期のイギリス・ジャコビアン様式期から流行が始まり、その後、北米等に広まりました。

ドロップリーフテーブルのはじまり

その起源は不明ですが、16世紀以降の食堂の発達と共にダイニングテーブル(食卓)として発展したとされます。16世紀初期頃に小さなテーブルとしてイギリスに登場したとされ、17世紀以降流行し、同国やその影響を受けた北米における特有の形式となりました。

代表的形態は中央の天板が長方形または角丸長方形状で脚が4本あり、左右の垂れ板を広げると正方形や長方形、円形、楕円になるものです。脚は数珠状や螺旋状等の挽物(ロクロ細工)が多く、のちに猫脚や柱形等が加わりました。収納性や使い勝手に優れた形式で、各時代・各地域で継続して作られ、今も需要と人気が続く定番形式となっています。

 「ドロップリーフテーブル」以外にも様々な呼び名が

「ドロップリーフ(垂れ板)」の名称は、天板拡張時に用いる左右の垂れ板から付けられたとされます。直角三角形状の可動板を広げ垂れ板を支えるものは「バタフライテーブル」、門扉枠状に組んだ可動脚を広げ垂れ板を支えるものは「ゲートレッグテーブル」とも呼ばれ、そのほか同じく垂れ板を名にした「フラップテーブル」等の別名もあります。本来的には、機構名に対応した名称で呼ばれるべきですが、明確な使い分けはされていません。

ドロップリーフテーブルの歴史

住宅の発展によって生まれたドロップリーフテーブル

ドロップリーフテーブルの起源は定かではありませんが、中世、西欧では天板を外して片づけられる食卓が使われており、この機能と需要に影響され発生したとみられます。その原形は16世紀初期のイギリスに現れたとされ、当初は小型のもので、その背景には、食堂の発達や囲炉裏の暖炉化による部屋の使い勝手向上等の住宅発展がありました。その後16世紀後半には、12本から20本ぐらいまでの脚をもつ、先駆的なゲートレッグ(門扉枠)形式の大型折畳食卓「フォールディングテーブル」も出現します。

ドロップリーフテーブルの流行

17世紀になると、その利便性が認められイギリスでの流行と発展が始まります。折しもジャコビアン様式期(1603-89)と呼ばれる家具の変革・発展期で、特にその後期のレストレーション(王政復古)期にゲートレッグ形式が流行しました。また、ゲートレッグ形式による「サウザンドテーブル(多脚卓)」と呼ばれる大型卓も流行し、それらの脚には主脚・可動脚共に当時流行した数珠形や螺旋形の挽物脚が付きました。そして、17世紀末からは当時のイギリスの植民地、北米のコロニアル様式での流行も始まります。

新しく便利に進化していったドロップリーフテーブル

18世紀に入ってもイギリスでのドロップリーフテーブルの流行は続きますが、1730年代までに幕板付きの可動脚が天板下の框(かまち。構造材)に蝶番で接続される構造が現れました。そこにはS字に曲がったカブリオール脚(猫脚)が付けられ、その構造的特性により貫(ぬき。横柱)のない足下の広い姿となり、天板下への台の設置と共に食卓としての完成形を成します。

脚のデザインも様々

それはジョージアン様式期中(1714-1830)のチッペンデール様式期(1740-65)の頃で、天板は楕円形、脚先はゴルフクラブ形か肉趾足(パッドフット。動物足形状)が多く、高級品の脚先には玉を掴む爪形装飾(ボール・アンド・クロー)がありました。

使われるシーンごとに様々なドロップリーフテーブルが登場

またこの頃、垂れ板を下枠から引き出す腕木で支え、天板下に収納扉や引き出しを備えた朝食用の小型卓「ブレックファーストテーブル」も流行します。18世紀中頃からの半世紀程には、可動板を開き垂れ板を保持する、引き出し付きの小型予備卓「ペンブロークテーブル」が人気を博し、同世紀末からはそれに似た小さな垂れ板と引き出しのついた書記机「ソファテーブル」も流行しました。
なお、18世紀のゲートレッグ形式は「エイトレッグドテーブル」とも呼ばれ、多くがマホガニー材で作られました。

19世紀後半のヴィクトリア様式期には、中央の天板が細く垂れ板が広い、省スペース収納が可能なゲートレッグ式臨時卓「サザーランドテーブル」が流行します。そして、ドロップリーフテーブルは、その後も折衷主義や復古様式による進化や過去形式の復活等を経て存続し、現代でも作られる定番形式となりました。

ドロップリーフテーブルの特徴(構造・形状・様式・装飾・材料・仕上げ・種類)

斬新な工夫による実用性と、展開・未展開時両方での美しさを兼ね備えたドロップリーフテーブル。新しいようで500年もの歴史を有し、様々なものが生み出されてきました。

ドロップリーフテーブルの種類(別名)

フォールディングテーブル(16世紀後半の大型食卓)、バタフライテーブル、ゲートレッグテーブル、フラップテーブル、サウザンドテーブル、ブレックファーストテーブル、ペンブロークテーブル、ソファテーブル、エイトレッグドテーブル、サザーランドテーブル、ティーカート(車輪付き)等があります。

構造的な違い

その構造的な違いでは、垂れ板を蝶形の可動板で保持するもの、中央天板裏の框と脚貫との間に組み込んだ門扉枠状の可動脚で保持するもの、天板下の框に幕板共々蝶番で繋がれた猫脚等の主脚兼用単脚で保持するもの、天板下から引き出す腕木で保持するもの等があり、天板形状には、長方形、正方形、円形、楕円形のほか、バロック的に変形された波形等があり、脚の形状には、円柱、角柱、S字(猫脚)、円錐、角錐形等があります。

意匠の様式

中世ゴシック様式の影響を受けたルネサンス様式から始まり、バロック、ロココ、新古典主義、折衷主義、復古様式等があります。彫刻等の装飾は控えめなものが多く、天板や幕板・脚に施され、それらには、ルネサンスやバロック様式の影響による古代ギリシャやローマ、フランスやオランダ等の影響による中世ゴシック由来のものが多くあり、模様も同じく、貝殻、アカンサスの葉、人面、唐草、幾何学模様、東洋風景等があります。

彫刻以外の装飾

彫刻以外の装飾には、寄木細工(マルケトリー)や象嵌(インレイ)、板貼り(ベニアリング)、組格子(フレット)、金箔貼り(ギルディング)、着色、漆塗り、蒔絵等があり、脚の装飾彫刻には、挽物によるボビン形(数珠状)やボビンとリング形、螺旋形、縦溝のほか、猫脚の膝への貝殻やアカンサスの葉等があります。また材料には、オーク、ウォールナット、マホガニー、サテンウッド等があり、表面の仕上げは、比較的木地の雰囲気を活かした塗料による隠蔽がないものや、艶出し加工されたものが多くなっています。

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