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エクステンションテーブルとは

エクステンションテーブルとは、必要に応じて天板を拡張することができる、折り畳み式テーブルの総称です。フォールディングテーブルとも呼ばれ、用途によって実に様々な型のエクステンションテーブルが生み出されてきました。この記事では16世紀~18世紀ごろまでのアンティークのエクステンションテーブルについてご紹介して行きます。

エクステンションテーブルの特徴

アンティーク エクステンションテーブル

エクステンションテーブルは、実用品としてだけでなく、機能と美しさを両立することを追求され続けてきた家具と言えます。現代に至るまで約500年の歴史を有し、暮らしや建築の発展によって生まれた、様々なシチュエーションや需要に合わせて多くのデザインや構造が生み出されてきました。

1:天板の形状

エクステンションテーブル 形

長方形、正方形、円形、楕円形のほか、バロック的に変形された波形などがあります。

2:脚の形状

エクステンションテーブル デザイン

脚の形状には、円柱、角柱、S字(猫脚)、円錐、角錐形等があります。
また、脚には挽物によるボビン形(数珠状)やボビンとリング形、螺旋形、縦溝のほか、猫脚の膝への貝殻やアカンサスの葉などの装飾が施されたものが多く見られます。

3:材料

エクステンションテーブル マホガニー

オーク、ウォールナット、マホガニーが多く、その他にもサテンウッド等の材料が使われている場合もあります。

ダイニングとエクステンションテーブルの関係

エクステンションテーブル おしゃれ
その原形と呼べるテーブルは、16世紀初期のイギリスに現れた小型のドロップリーフテーブルと、イギリスやフランスに現れたドローリーフテーブルです。
これらの出現の背景には、イギリスやフランスの食事を摂る部屋の発達、また暖房器具、特に暖炉の広まりによって部屋の使い勝手が向上したことなど、住宅の発展が影響したものと思われます。

様々な構造やデザインのエクステンションテーブル

ひとことにエクステンションテーブルと言っても、天板を折り畳むもの、収納するものなど、様々な構造をもっています。ここからは、作られた時代や構造、用途やデザインによって様々な名称で呼ばれるエクステンションテーブルを、その進化の過程を見ながら時系列順に紹介していきます。

フォールディングテーブル

アンティーク 折りたたみテーブル

エクステンションテーブルの起源は定かではありませんが、中世にはすでに西欧で天板を外して片づけられる食卓が使わていました。
使わない時には家具全体の大きさをコンパクトにしておける、という機能はそののちも徐々に需要を生んで行き、現在のエクステンションテーブルの形に発展して行ったとみられます。
エクステンションテーブルの先駆けとも言われる「フォールディングテーブル」は、ゲートレッグ式の脚を持った、折り畳みテーブルです。16世紀後半に登場しました。

ドローリーフテーブル

アンティーク ドローリーフテーブル

先でご紹介しました通り、エクステンションテーブルの原型とされるテーブルには「ドロップリーフテーブル」と「ドローリーフテーブル」があります。
この内ドローリーフテーブルは、17世紀に流行を迎えたテーブルです。スイスやドイツ等ヨーロッパ各国で作られるようになり、脚の装飾にはイギリスのドローリーフテーブルに見られる、球根飾りや玉を連ねた数珠形、螺旋形にデザインされた挽物による装飾が施されていました。
イギリス ドローリーフテーブル
そして17世紀後期からは北米でも人気を博し、当地のアメリカの様式に影響を与えることになります。
フランスでも、新たにバロック様式の影響を受けたルイ13世様式や14世様式を取り入れたドローリーフテーブルの製作が行なわれます。
しかし、17世紀後半以降はゲートレッグ形式の流行によって、ドローリーフテーブルは徐々に衰退していくこととなります。

⇒ラフジュ工房のドローリーフテーブルはこちら

ドロップリーフテーブル

ドロップリーフテーブル イギリス

ドローリーフテーブルが流行した17世紀には、時を同じくしてイギリスで「ドロップリーフテーブル」の流行と発展が始まります。
サブ天板を中央の天板下に格納するドローリーフテーブルとは異なり、サブ天板を使わない時にはサイドに垂らしておく構造になっています。ドローリーフテーブルよりもシンプルなシステムで、使わない時には小さく畳んでおけるのが特長のテーブルです。
また、ドロップリーフの構造で作られた大型のテーブル「サウザンドテーブル」も流行します。

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17世紀は家具の黄金期!

17世紀は家具の構造や装飾のデザインの変革が盛んであった、ジャコビアン様式期(1603-89)に当たります。この時期には、「チッペンデール様式」を生み出したトーマス・チッペンデールなど、後世に名を残す家具デザイナーが生まれています。エクステンションテーブルの歴史的に見ると、後期にゲートレッグ形式が流行したことが特長です。

チッペンデール様式」に関するRAFUJU MAG 辞典の記事はこちらから

ゲームテーブル

ゲームテーブル アンティーク

このほかにも、17世紀後半にはカードゲームの流行に伴い、折り畳み式のゲームテーブルが現れます。このゲームテーブルには細かな仕切りがついた引き出しや、カードやロウソクなどを置くための場所が備え付けられました。

⇒ラフジュ工房のゲームテーブルはこちら

さらに使い易く進化したドロップリーフテーブル

ドロップリーフテーブル デザイン

イギリスでのドロップリーフテーブルの流行は、18世紀も続き、1730年代までに幕板付きの動く脚が、天板下の框(かまち)に蝶番で接続される構造が現れます。この構造と、天板下への台の設置と共にドロップリーフテーブルは食卓としての完成形とされます。

脚にはカブリオールレッグ(猫脚)が付けられ、天板は楕円形、脚先は動物の足形(パッドフット)のものが多く見られました。また高級品の脚先には玉を掴む爪形(ボール・アンド・クロー)がありました。

カブリオールレッグについての詳細はこちらの記事で紹介しています。

カブリオールレッグ」のRAFUJU MAG 辞典ページはこちら

ペンブロークテーブル

18世紀中頃からの半世紀程には、バタフライ形式の引き出し付き1~2人が食事できる小型のテーブル「ペンブロークテーブル」が人気を博しました。
また18世紀末からはそれに似た小さな垂れ板付きの書記机「ソファテーブル」も流行しました。

サザーランドテーブル

サザーランドテーブル アンティークサザーランドテーブル イギリス

19世紀後半のヴィクトリア様式期には「サザーランドテーブル」が流行しました。
このサザーランドテーブルは中央の天板幅が短く、サブ天板の幅が広いつくりが特長です。このつくりによって、畳んでいる時はスマートに収納することが出来て、広げると大きなテーブルとして使う事ができました。

エクステンションテーブルの更なる進化形、テレスコピック方式

北欧ヴィンテージ エクステンションテーブル

またエクステンションテーブルの更なる進化型として、拡張時に脚の間隔も広まるテレスコピック方式のテーブルも流行しました。
脚の間隔が天板と一緒に広がることによって、家具全体のバランスを取ることができるようになったほか、椅子の脚を入れ易くなるなどの利便性が生まれました。

画像は北欧ビンテージ「TROEDS社」製のエクステンションテーブル。天板は3段階に変更することができるもので、最大60cmの拡張が可能です。

⇒ラフジュ工房のエクステンションテーブルはこちら

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