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ジャコビアン様式とは

ジャコビアンとは王様の名前をヘブライ語読みにしたものにちなみます。期間はジェームズ1世の在世中(1603-25)とされますが、広義では後継のチャールズ1世期(1625-49)や王政復古後のチャールズ2世(1660-85)及びジェームズ2世期(1685-89)も含まれ、特に後者は「チャールズ2世様式」、またはそのラテン語読みから「カロリアン様式」とも呼ばれます。

ジャコビアン様式の家具、その特徴とは?

ジャコビアン様式 チェア

ジャコビアン様式期の家具は、当初ルネサンスの影響を受けたエリザベス様式の特徴を持ち、その後にバロックの影響が加わりました。彫刻などの装飾もエリザベス様式やバロック様式が用いられています。

ジャコビアン様式のカービング装飾

ここからはジャコビアン様式の家具に使われているカービング(彫刻)装飾の種類を紹介していきます。

チューダーローズ(バラの紋様)

アンティーク チューダーローズ

元々はイングランドの王家で使われていた紋章です。伝統的な紋様のひとつとして、ジャコビアン様式の家具にも見られます。

メロンバルブ(果実形)

アンティーク メロンバルブゴシック様式期にイギリスの僧院から始まったデザインとされています。前様式のエリザベス期にも使われています。

メロンバルブが使われているアンティーク家具デザインのひとつ、

ブルボーズレッグ」に関するRAFUJU MAG 辞典ページはこちら

リネンホールド

アンティーク リネンホールド

ゴシック様式から続くデザインで、家具だけでなく建築にも用いられていたデザインです。

ジャコビアン様式、時期ごとの特徴

ジェームズ1世期

1603年、エリザベス1世が亡くなり、傍系であったスコットランド王ジェームズ6世がジェームズ1世として国王に迎えられ、イングランドでのスチュアート朝が開かれました。
ジャコビアン期の始まりですが、王は文化に興味を示さず、建築家や職人等による大陸様式の導入や社会の需要が、ジャコビアン様式を発展させることとなります。直前までの様式であったゴシック様式を引き継いでいた為、凝った彫刻が施されていました。

アンティーク 脚

カップ状から花瓶型へ変化した挽き物による脚や、玉を連ねた形のボビンレッグが流行しました。

イギリス アンティーク

また、引き出しきの家具が多くなったこともこの時期の特徴です。滑りを良くする溝の加工や、板の接合方法が発達し、戸棚(キャビネット)と引き出しが融合した「ミュール・チェスト」や、天板が拡張できるゲートレッグテーブルも流行しました。
この他にも装飾では木や象牙、真珠貝等による象嵌装飾(インレイ)も増えます。

ジェームス1世期の芸術分野の動き

建築は前代に比べ装飾が若干簡素と化し、同7年起工のハットフィールド・ハウスやチャールストン・ハウスがその代表となります。やがて対称的・調和的なイタリアのパッラーディオに影響されたイニゴー・ジョーンズによりルネサンス様式が導入され、16年起工のクイーンズ・ハウスや同19年のバンケッティング・ハウスがその代表となりました。家具は凝った彫刻により豪華さが増し、ボビン形の挽物が流行して組手や象嵌も発達します。その他では、シェイクスピアやベン・ジョンソンがルネサンス演劇の隆盛に寄与し、ベーコンがルネサンス的な自然科学を論じ、マイテンスが自然主義的肖像画をもたらしました。

チャールズ1世期

1625年、チャールズ1世が父ジェームズ1世の跡を継ぎ即位します。王は欧州大陸の芸術や流行に感心が高く、英国の芸術や生活様式に影響を与えました。表現的にはジャコビアン様式の延長期となります。家庭用の家具の需要が多様化し、家具一つ一つの精巧さが求められるようになります。

あんてぃーく ウォールナット

貿易の発展により、形や材料が進化し、精巧な加工に適したウォールナットが主な材料として取扱いされるようになりました。

革 チェア

また、椅子の座面や背にも舶来の織物や皮革が使われ始めました。

様々な美術分野を取り入れたチャールズ1世

チャールズ1世は、東インド会社による貿易発展にも努め、中国の磁器や日本の漆器等を輸入して美術工芸分野に影響を与えたほか、商業、建築、探検等の様々な分野で活発な試みを行ないます。建築では1630年にジョーンズによる新古典主義の萌芽的なセント・ポール教会が起工。しかし、王の浪費や絶対王政への志向、宗教問題等により清教徒革命が起こり、1649年に王が処刑される事態となりました。

共和制期

イギリス ガラスケース
イギリスアンティーク ガラスケース王政復古期はフランスやオランダ式の豪華で洗練された家具に、東洋風の漆塗りが施されたチェストやキャビネット、収集品の陳列や保管のためのガラス扉付きの家具(グレイズドドアー・キャビネット)、ゲームテーブル等が現れます。また、質素で厳正な政治を反映して、幾何学模様のモールデッドフロント(板飾り)が流行しました。

ジャコビアン様式 チェア
チェア バーリーシュガーツイスト椅子の頂部等に王冠や格子(フレット)の彫刻が増え、貫(ぬき/脚同士を繋ぐ横向きの支柱)や、脚やアームに渦巻の彫刻やねじり挽物(バーリーシュガーツイスト)が多用され、座面に布や革張りも施されます。
また、座面や背を籐張りにしたハイバックチェアや、ウォールナットの化粧張り、寄木細工(マーケットリー)のあるライティング・キャビネットや、ドロワーがあります。また、金箔を貼った複雑な木彫(ピアスカービング)等の縁をもつガラス鏡も流行しました。

国外にも影響を与えた共和制期のインテリア

クロムウェルに主導された1649年から60年までの共和制時代は、清教徒主義に基づく質素厳正な政治が行なわれ、ジャコビアン様式は抑制されます。インテリアも質素で機能本位なものとなり、彫刻のない家具も作られますが、入植者がアメリカに持ち込んだため、アーリーアメリカン様式のインテリアに影響することにもなりました。

王政復古期

イギリス 鏡東洋の漆家具の改造品や独自の漆塗り家具、彫刻枠付きのガラス鏡等も広まります。また、1665年のロンドン大火以降、家具の需要が高まり、建築と共に、意匠や技術が発達しました。

王政復古期の時代背景

クロムウェルの死後、その厳しい清教徒主義への反動から、大陸に亡命していたチャールズ2世が1660年に迎えられ、王政が回復されました。王は芸術を保護し、貿易を奨励して、フランスやオランダの文化を持ち込み、各方面に影響を与えます。

後期ジャコビアン様式のはじまり

建築や家具も装飾的な作風が復活し、89年に至るまでの後期ジャコビアン様式が始まりました。建築分野では特に、1660年起工の華やかで新古典的なサドバリー・ホールや75年起工のレンによるバロック建築セント・ポール大聖堂が代表的です。ギボンスらが劇的で生命感ある内装彫刻を手がけます。

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