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ロイドルームチェアとは

ロイドルームチェアとは、ワイヤー(鉄線)に紙を巻いて作った人工藤の編地で作られた椅子です。曲木を骨格とし、それに人工藤の編地を張るスタイルが基本の形です。人工藤は、1917年にアメリカのマーシャル・B・ロイドが開発した素材で、これまでの籐家具にあった軽さと優雅な雰囲はそのままに、より頑丈で使いやすく、コストを抑えて作ろうと工夫されて誕生しました。
ワイヤーが入っていますが、紙でできた編地が使われている点から、「ペーパーコード」の一種でもあります。

ロイドルームチェアの特徴

ロイドルームチェアは、防水性・柔軟性・加工性の良さに優れています。
籐家具のような質感やエレガントさを残しつつ、製造を機械化して大量生産を可能にしたことで、比較的手頃な価格で提供することが叶いました。加工がしやすく着色も自由に出来ることから、バリエーション豊かな色味や幅広い形のアイテムを楽しむことが出来るのも特徴のひとつです。籐家具特有の丸みや軽やかさが感じられる上に耐久性に優れているので、時代を問わず世界中で愛されています。

素材と製法

ロイドルームチェアは籐の椅子と同じように曲木を骨格として、そこに人工籐の編地を張り作られます。
アメリカのマーシャル・B・ロイドが開発した人口籐は、防水・防錆加工されたワイヤーに、防水処理されたクラフト紙を固く巻き付けることで出来上がります。それを専用の大型機械で織り上げ、椅子の骨格に固定していくことでロイドルームチェアとなります。

ロイドルームチェアの種類

ひじ掛けの付いたアームチェアや、ゆったり座れるソファ型、背もたれの無いスツール型など、その種類は多岐に渡ります。収納を兼ねたボックス型ベンチや、乳母車、ランドリーボックスに至るまで生活の様々なシーンに取り入れることができるラインナップです。
また、加工性の高さから色味も豊富なので、好きなインテリアスタイルに合わせて個性豊かな風合いを楽しむことができます。

ロイドルームチェアの歴史

ロイドルームチェアの誕生

古代ローマの編んだ柳で作られた椅子、「ウィッカーチェア」がロイドルームチェアの原形と言われています。
中世には藁編み、17世紀半ばには東洋から伝わった籐(ラタン)編みに変化してゆき、長年椅子の座面や背面の素材として重宝されてきました。
しかしウィッカーチェアは人気の反面、生産工数や費用、耐久面に問題がありました。更に、第一次世界大戦により材料費と人件費が高騰し、生産が厳しくなっていきます。
そこで、当時アメリカで籐の乳母車の開発に関わっていた、マーシャル・B・ロイドがその改善に取り組むこととなりました。試行錯誤の末、紙とワイヤーを使う斬新な方法を考案し、1917年に特許を取得します。
芯と紙どちらにも防水処理を施したことで耐久性にも優れた画期的な素材な上、機械で織り上げることでコストや生産性アップにも成功したのです。


また、フレームと別で製造できるため様々なデザイン展開を可能にし、乳母車や家具に採用されます。こうして伝統的な姿を保ちつつ、使い勝手とデザイン性を向上させたロイドルームチェアはアメリカで急速に普及しました。

イギリスで生産が始まる

1921年、イギリスのウィリアム・ラスティ社がロイドルームチェアの英国での生産権を購入し、翌年にはロンドンで生産を開始。ヨーロッパで「ラスティロイドルーム」として発売されます。
アメリカの最新技術にイギリスの伝統意匠を加えたラスティロイドルームの家具は、当初庭用として使われました。しかし、やがてその使いやすさやデザイン性から、インテリアとして認められるようになります。
一般家庭からホテルやレストラン、客船、飛行船等にまで使われ、ヨーロッパ中で人気を博し、ロイドルームの名を世界的なものにしました。

現在のロイドルームチェア

社名や国を変えながらも作られ続けているロイドルームチェア。
現在でもアンティーク、現行品共に人気があり、世界中で愛用されています。


近年では、骨格をアルミ、紙を化繊に変えた製品も作られおり、より頑丈で扱いやすいものも登場しています。様々な色味や形を楽しめるロイドルームチェアは、インテリアのアクセントや庭に彩りを与える家具として世界中で使われています。
⇒ラフジュ工房のロイドルームチェアはこちら

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