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ルイ16世期様式とは

ルイ16世様式とは、18世紀後半のフランス・ブルボン朝末期のルイ16世期における文化・芸術の表現形式です。主に内装や家具等の装飾美術に用いられ、ルイ15世期にロココ様式として爛熟化した動的華麗なフランス・バロックに代わり、新古典主義様式への移行を反映した直線や対称構成による厳正さと女性的繊細さを併せた様式として流行しました。

新古典主義の始まり、ルイ16世様式

一般的には古代ギリシャやローマ美術を範とした新古典主義様式(ネオクラシズム)の範疇とされますが、後期バロックの一種であるルイ15世様式やロココの末期様式と同一視とされることもある過渡期的様式です。そのため、その期間もルイ16世治世の1774年から同93年までとするほか、古典主義的傾向が現れる50年頃からフランス革命勃発の89年までなどとする場合もあります。

衣装や髪形はバロックの延長的に装飾過多となりますが、内装や家具は古典的傾向により直線的となり、明らかな画期を示しました。建築ではガブリエルやスフロ、内装はルソー兄弟、絵画はシャルダンやグルーズ、家具はヤコブやベネマン等が活躍し、19世紀以降欧米で爆発的に流行する新古典主義様式の始まりを告げる先駆的様式となりました。

ルイ16世様式の時代背景

ロココ様式、対抗論のめばえ

1750年頃からポンペイ等の発掘により欧州に古代ブームが起こり、また英国のグランド・ツアーのような旅行ブームにより人々の古典への憧れが強まります。そして隆盛していたディドロらの唱える啓蒙思想が学術を発展させ古代理解を深化させて、その原点回帰的志向共々、新古典主義思潮の大きな推進力となりました。

53年にはロジエが『建築試論』、55年にはドイツのヴィンケルマンが『ギリシャ美術模倣論』で新古典主義実践の理論を提供し、ロココへの対抗様式としての成長を促します。58年起工のスフロによるサント・ジュヌヴィエーヴ教会(現パンテオン)や61年起工のガブリエルによるプティ・トリアノンがその実例で、バロックとは異なる幾何学的構造美が示されました。またフラゴナールが壮大な背景描写、シャルダンが厳格な構図法等により新時代を予感させます。

古典主義様式の強まり

1774年にルイ16世の治世が始まると、更に古典主義への傾向が強まります。同年ガブリエルがデザインしたヴェルサイユ宮殿の図書館にはルソーらによる直線的で理知的な装飾が設置。ウィーン生まれの王妃マリー・アントワネットも宮殿内に次代の流行を先取りするような別荘を建て、内部はルソー兄弟の直線的装飾で飾られます。

家具におけるルイ16世様式の確立

その他の装飾や家具でも古代のエジプトやギリシャ、ローマの意匠が流行して形状が直線的となり、これらの分野でのルイ16世様式の特徴が明確となりました。また、享楽的なロココ絵画への反発が風俗画と物語画を併せたグルーズの「教訓画」の創造と流行を生み、市民や労働者、農民等も画題となり、ルブランやギアール等の女流画家も活躍します。

ルイ16世様式の影響が最も遅かったのは「ファション」?!

一方、サロンの内装や家具が古典的となったにもかかわらず、そこに集う貴族らの服装や髪形は驚くほど過剰な装飾や曲線を見せ始めます。男性用のかつらは多様化して着色も行なわれ、女性の髪形は梯子を使いまとめるほど巨大化しました。
前代から流行していた、ゆるやかな襞付きの女性用ローブ「ヴァトー・プリーツ」も変化して1770年代に最も巨大化し、やがてスカートのふくらみ中心が後方に移動した「ローブ・ア・ラ・ポロネーズ」も出現します。
しかし、迫り来る革命を予見するように、80年代には細いスカートのワンピース「シュミーズ・ア・ラ・レーヌ」が王妃らに好まれ始め、髪形も小型化しました。

革命後も受け継がれたルイ16世様式

そして1789年、長年の浪費や戦争負担等により王国は革命を招いて崩壊し、宮廷やブルジョワが支えたルイ様式も終焉を迎えることとなります。しかし、次代を先取りしたルイ16世様式は、ナポレンオン期の「アンピール(皇帝)様式」に引き継がれ、また西洋文化の中心地様式とし世界や後代に影響を与えることとなりました。

ルイ16世様式の家具とは?

ルイ16世期は新古典主義思潮に大きく影響された家具が現れ、ロココの曲線による華麗さに代わり、簡素で直線的・対称的な意匠等を特徴としました。しかし、古典的なまとまりの中にもロココ的な軽快さや可憐さ、華やかさを継承・発展させた意匠や、高度な技術、優れた実用性、そして洗練された姿を持つなど、近代的というべき斬新さも有しました。

家具の種類

家具の種類には、フォトゥーユ(肘掛椅子)、ベルジェール(安楽椅子)、カナペ(長椅子)、デュシェス(寝椅子)、コモード(小箪笥)、ビューロー(書記机)、コンソール(壁面卓)、ファイアースクリーン(暖炉衝立)、書棚、ダイニングテーブル、腎臓形テーブル、書見台付テーブル、アーモワール(戸棚)、ベッド、リ・ア・ラ・トルク(ソファー兼用トルコ風ベッド)等があります。なお、この様式から誕生した家具には、背がメダリオン(楕円)形の椅子や、女性用の化粧兼書記机(ボヌール・ドゥ・ジュール)、ガラスが使われた飾り棚、短円筒形の胴に引き出しや大理石の天板、直線の脚がついたゲームテーブル(ブイヨット・ゲーム)、天板角度が可変式の傾斜机(トロンキン・テーブル)等があります。

ルイ16世様式の家具とその特徴

典型的なルイ16世様式家具の特徴には、椅子やテーブルの脚に曲線(カブリオレ。猫脚)がなくなり、直線で先細りの挽物にフルーティング(縦溝)や螺旋溝・胡麻柄溝等が施されること、肘の先端が渦巻意匠でその他に薄彫りのアカンサス(葉アザミ)の葉が施されること、脚や柱等がロゼット(花形)装飾のある立方体で接続されること、台輪(だいわ。座面枠)に玉縁や8の字形等の帯模様が施されること、座面や背の裂地にストライプ柄が多いこと、彫刻等の装飾主題に花輪、花籠、月桂樹、楽器、その他の植物模様等が用いられ自然さが加わったこと、材料にウォールナット、ブナ、紫檀、マホガニー、サテンウッド等が用いられ、表面には白塗りや金箔貼り等も行われること、などがあります。

彫刻等の装飾

彫刻等の装飾は、ロココやそれ以前の様式同様、古代由来の物が多く、模様の種類にはロゼット(花形)や花輪、月桂樹、楽器、花束、格子柄、アカンサスの葉、婦人像、動物、渦巻、松かさ、文具、弓、貝、イルカ、鳥、唐草、トロフィー、幾何学模様等があります。
また、彫刻以外の装飾には、寄木細工や象嵌、各種板材の化粧貼り、漆塗り等があり、木材以外の材料には鍍金が施された青銅金具や大理石、ガラス、セーヴル磁器等があります。

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