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ルイ13世様式とは

ルイ13世様式とは、17世紀のブルボン朝初期におけるフランスの建築や工芸、装飾等の表現形式です。期間は主として17世紀前期のルイ13世期から17世紀半ば過ぎのルイ14世初期までとされます。前代の様式を継承しつつ、ルネサンスやバロックおよび周辺国の影響を受けた過渡期的様式で、簡素と重厚、直線と曲線を併せ持つ意匠等を特徴とします。

フランス・バロックのイメージを作ったルイ13世期様式

基本的にはイタリア発祥の劇的豊麗なバロック様式の一つとされ、フランスにおけるその総称である「ルイ様式」の最初のものとされます。
一般的には、ルイ13世治世の1610年から1643年までに加え、次代のルイ14世の親政開始時である1661年までがその期間とされ、建築等では前代のアンリ4世期後半の17世紀初頭を含めることもあります。

宗教や王位に関する長い戦乱を経て現れた様式で、安定や快適への希求、絶対王政の開始という時代背景を有します。古今様々な様式や周辺各国に影響された混合的・過渡期的特徴を持つ地味で簡素な様式ともされますが、時を経るにつれ柔軟さを加え、壮麗厳格な古典主義的フランス・バロックが確立される次代の「ルイ14世様式」を準備しました。

ルイ13世期の歴史

16世紀後半の宗教戦争を戦い、同世紀末に「ナントの勅令」を発してその終結とフランスの統一を図ったブルボン朝初代アンリ4世は、疲弊した国土の再建を始めます。商工業や農業の振興、道や河川の整備等が行なわれ、特に大規模な再開発が行なわれた首都パリに芸術家が集められ、古典主義的な新しい様式が準備されました。

1610年にルイ13世が即位しますが、幼少のため暫くは母后マリーが摂政となり、先王の事業が引き継がれます。ルイ13世様式期(アンリ4世様式とほぼ同義)の始まりですが、イタリア人母后によりイタリア・バロック、スペイン人王妃によりスペイン趣味や、それに影響を与えたイギリス・バロック等が流入したため、混合的なものになりました。

前半

ルイ13世様式期の建築は、中世と後期ルネサンス(マニエリスム)様式が残る煉瓦と石材の併用や伝統的急傾斜屋根の構成を用いつつ、屋根が分離形状となるなどの発展を始めます。1612年起工のプラース・ロワイヤルや王室建築家ブロッスによる15年起工のリュクサンブール宮殿が典型で、16年起工のサン・ジェルヴェ教会西正面はフランス古典主義建築の典型となっています。また、ルイ13世の主席建築家ルメルシエによる35年起工のソルボンヌ大学礼拝堂はローマバロック風ファサード(正面)とドームを組み合わすフランス古典主義教会の原型となり、ブロッスの弟子フランソワ・マンサールはブロワ城の翼廊(よくろう。袖廊)等で古典主義建築の基礎を成しました。

美術では、ルイ13世の首席画家ブーエが感情や力感を抑制したフランス風バロック絵画で王宮や教会を飾り、時代を代表します。またラ・トゥールが北東ロレーヌ地方でイタリア・バロックの巨匠カラヴァッジョの技法をフランス古典主義的に応用して活躍しました。

後半

1643年にルイ14世が即位しますが幼少のためルイ13世様式が継続されます。建築ではマンサールが43年のメゾン・ラフィット城で付け柱により陰影と統一感を出すファサードを創造し古典主義城館の模範を成しました。またル・ヴォーは56年に内装家ル・ブランや造園家ル・ノートルと共に豪華で新しい構成のヴォー・ル・ヴィコント城を創出し後のヴェルサイユ宮殿造営を刺激。ドームや円柱で力強さや躍動感を与え、彩色ストゥッコ(漆喰)と壁画による優雅な室内装飾、雄大なフランス式庭園で建築を引き立てました。

美術では作風が硬直化したブーエに代わり、プッサンやロランらが台頭し、明快な色彩や正確な時代考証による簡潔典雅な「アティシスム」の物語画・風景画でフランス古典主義絵画を完成させます。またル・ナン兄弟が農民画、外国人画家シャンパーニュが肖像画や宗教画等で古典主義的厳粛さや深い精神性を表現しました。そして1661年、ルイ14世の親政が始まり、フランス・バロックはいよいよその完成期に入ることとなったのです。

ルイ13世様式の家具とその特徴

ルイ13世様式期の家具も建築同様、混合的・過渡期的なものが作られました。イタリア・バロックやフランドル(オランダ・ベルギー地方)様式、スペイン・ルネサンスとそれに影響を与えたイギリスのジャコビアン様式等の混合形式で、全体的に直線的な意匠が多いですが、後に曲線も増えます。

彫刻等の装飾も各様式ものが用いられ、模様にはアカンサスの葉、果実(特にリンゴとナシ)、ロゼット(花形)、卵と矢、ダイヤモンドポイント(低角錐)、マルタ十字、天使像、金輪を咥えたライオン、角(つの)、花瓶、花束、交差した月桂樹と椰子、翼を広げた鷲(わし)、婦人像、渦巻、グロテスク面等があります。

柱や脚に施されるロクロ装飾

柱や脚に施されるロクロ装飾には、螺旋や数珠状、手すり子(手すりの下柱)形等があり、前者は椅子やテーブルに多用され、脚先近くに渡される同様か別加工がされたH形(あるいはX形)の補強と共に大きな特徴を成しています。その他、脚や腕の形には湾曲して先端が渦巻になったものなどもあり、モールディング(繰形。縁飾り)には波形やダイヤモンドポイント等があります。

材料

材料は、ウォールナットとオークが主体で、モミも使われます。装飾用には、表面に貼るための彫刻された薄い黒檀の板や、象嵌用の着色した木片や大理石等に、寄木細工用の各種の木片も使われました。また、座面や背・腕には織物や革、籐も使われます。

家具の種類

家具の種類には、椅子と肘掛椅子、タブレ(背なし椅子)、カクトワール(お喋り椅子)、X形の折りたたみ椅子、折りたたみ脚立、カナペ(ソファ)、テーブル、ビューロー(書記机)、櫃(トランク)、キャビネット(飾り箪笥・衣装箪笥)、ベッド等があります。

チェア

椅子は背が高く幅は狭く、座が布や革で覆われています。肘掛椅子は背が低く幅が広いものは事務や食事用、背が高いハイバックチェアは休息用で肘が湾曲しています。背なし椅子は正方形か長方形があり、ソファは2人から4人用があり肘掛と背もたれが付属。テーブルは教会用の大きなものと、引き出しがつき脚貫(ぬき。横木)の中央に花瓶や紡錘の装飾がある小さなものがあります。

キャビネット

キャビネットには飾り箪笥と、この時代に現れた背の高い衣装箪笥があり、2つ以上の扉や引き出しを備えます。ベッドは四隅の柱上に天井を設けるタイプで、全体が布で覆われ、頂部四隅にある花瓶や花束等の彫刻のみ露出します。

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