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プレジデントデスクとは

プレジデントデスクとは、主に組織の長や重役等が執務に用いる大型の高級事務机です。別にエグゼクティブテーブル、日本では社長机とも呼ばれ、狭義的には大統領用、一般的には高級机の代名詞となっています。17世紀頃フランスに現れたペデスタルデスク(両袖机、ニーホールデスク)が起源とみられ、左右両側の引き出しや中央の膝が入る空間、使用者に相応しい大きさや贅を凝らした造りが特徴です。

おしゃれで上質な、デスクの最高峰「プレジデントデスク」

「プレジデント」や「エグゼクティブ」は、共に組織や団体の長を意味する英語で、それらの人のために最上の品質で作られた机であることに由来します。起源は定かではありませんが、17世紀頃フランスに現れた豪華な両袖のライティングデスク辺りが源流とみられ、その後、18世紀のイギリスで今日の印象に近い姿となりました。

特に「プレジデント」の語は、アメリカ大統領の印象が強く、狭義的にはその官邸ホワイトハウスで使われた6つの大統領用机を意味します。それらには「レゾリュートデスク」「ウィルソンデスク」「ジョンソンデスク」「セオドア・ルーズベルトデスク」「フーバーデスク」「C&Oデスク」があり、それぞれ元の所有団体や縁の人名等が付けられています。

アンティークの他、現在も作られる新しいデザインのプレジデントデスクとは

現在、プレジデントデスクの形態には様々なものがありますが、伝統的・一般的なものは大統領用と同じく木製で、天板に筆記用の革貼りがあり、場合により、前面や側面に彫刻等の豊かな装飾が施されます。また、訪問者と対面する前面の膝穴には「モデスティパネル(ニーホールパネル)」と呼ばれる幕板が付く場合もあります。

19世紀以降、その実用性と高級感により、広く公私の執務に用いられ、世界中に普及しました。また、貴重な素材や高度な技法による工芸的価値も注目されています。

プレジデントデスクの歴史

プレジデントデスクの原型は「両袖机」

プレジデントデスクの起源は定かではありませんが、17世紀後半、フランスに現れた両袖机が原形ではないかとみられます。それは、17世紀中頃のルイ王朝の宰相マザランに関係したとされる「マザラン・ビューロー(書記卓)」が起源とされます。その姿は、左右に3段、中央に1段の引き出しと膝が入る空間を持ち、各引き出し下に4本の脚を持つ、ビューローとの折衷的な形状で、豪華な装飾が施されたものでした。

17世紀後半にはマザラン・ビューローと同じ形式のルイ14世用書記机が現れます。王室家具師ブールによる「ブール式象嵌」が全面に施されたそれは、豊麗豪華なフランス・バロック様式によるもので、まさに「トップ」のデスクに相応しいものでした。こうして、17世紀後半に現れたフランスの両袖机がプレジデントデスク及び事務机の原形を成します。

イギリスのプレジデントデスク

一方イギリスでは、クイーンアン様式期(1702-14)に、膝穴の上にアーチ形の浅い引き出しや饅頭形の短い脚(バンフット)がつく両袖机が出現。小ぶりながらもイギリスらしい直線的な板組みの姿で、のちの事務机・学習机の祖形を成しました。また、この頃の大きな図書館机が、のちに、前後に引き出しと膝穴を備えて対面利用が可能となる大型の両袖机「パートナーデスク(ダブルデスク)」に発展します。そして、18世紀半ばには、両袖机の饅頭脚が張り出した四角いものになり、引き出しも浅めになります。

18世紀後半になると、著名家具師チッペンデールが、パートナーデスクをフランス・ロココ様式的な曲線意匠や装飾を用いた優雅な書記机としてデザインしました。特に、直線的意匠を特徴とする新古典主義様式のデザイナー、アダムの意匠を採用し1770年代に作られた伯爵用の書斎机が有名で、貴重な現存例となっています。華麗な寄木細工や装飾金具で飾られた重厚かつ品位あるそれは、のちのプレジデントデスクそのものの姿でした。

名実共に「プレジデントデスク」となった、レゾリュートデスクとは?

19世紀に入ると、銀行等の企業などでも対面事務が可能なパートナーデスクが普及します。そして、プレジデントデスクにとって記念的な出来事が起こります。それは1880年に英国のビクトリア女王からアメリカのヘイズ大統領に一つのパートナーデスクが贈られたことです。
その机は遭難放棄された英国の北極探査船、レゾリュート号のオーク(ナラ)材で作られたもので、同船をアメリカが回収・返還したことに対する返礼でした。以後、ホワイトハウスでの使われることとなる、この「レゾリュートデスク」が、名実共にプレジデントデスクの祖となり、代表的存在ともなります。

こうして、「トップの机」としてのイメージと役割を確立したプレジデントデスクは、その後世界に普及することとなりました。20世紀以降は、19世紀の復刻品のほか、新しい素材や技術、意匠を採用したものも作られ、各界のエグゼクティブ達に愛用されています。

プレジデントデスクの特徴(構造・様式・装飾・模様・材料・大きさ)

その高級感や存在感、そして実用性により、使用者の権威を高め、執務を助けたプレジデントデスク。これまで、それらの特徴を備えつつ、様々なものが作られてきました。

構造的な違い

その構造的な違いには、1人用や、2台合わせた大きさの2人用(パートナーデスク)のほか、4辺に膝穴がある4人用等があり、「モデスティパネル」で膝穴を閉じて使用者数を制限するものもあります。
類似のものには図書館用の「ライブラリーデスク」があり、派生種には引き出しが片方にしかない片袖机の一般用事務机や学習机等があり、それら共々、その多くが刳形(くりがた。凹凸彫刻)の装飾がある土台(引き出し兼脚部等)「モールディングベース」を採用しています。

意匠の様式

また意匠の様式には、ゴシック様式やバロック、ロココ、チッペンデール、シェラトン、アダム、新古典主義、折衷主義、復古、アールヌーボー、アールデコ、その他現代様式等があります。
彫刻装飾は、天板の縁や側板、前板等に施され、それらには、ルネサンスやバロック様式の影響による古代ギリシャやローマ由来のものが多く、模様も同じく、貝殻、アカンサスの葉、ロゼット(花紋)、動物、人物、花、幾何学模様等があります。

彫刻以外の装飾

彫刻以外の装飾には寄木細工(マルケトリー)や象嵌(インレイ)、板貼り(ベニアリング)、金箔貼り(ギルディング)、着色等があります。

材料

材料は、ウォールナット(クルミ)、オーク、マホガニー、エボニー(黒檀)、ローズウッド(紫檀)等があり、その他には、金属、石、ガラス、樹脂、皮革等も使われます。

なお、その大きさには様々なものありますが、プレジデントデスクの代表的存在であるレゾリュートデスクの場合は、長さが180cm、幅が120cm、高さが81cm(1986年の嵩上げ後)となっています。

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