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ルネサンス様式とは

ルネサンス様式(ルネッサンス様式)とは、イタリアで始まったルネサンス運動(古典復興)における、文化・芸術表現の様式です。前代のゴシック様式とは異なる優美さや調和性があり、ギリシャ・ローマの古典美術に倣いつつ、高い芸術性や機能性を備えた精巧で華やかな建築・彫刻・絵画を生み出しました。イタリアだけでなく、ヨーロッパ各地に広がり様々な建築や芸術に影響を与えました。

ルネサンス様式の家具の特徴

古代ローマに影響された、華麗で精巧な彫刻が施されたルネサンス様式の家具。宮殿や宮邸に置かれる、浮き彫りで装飾された脚付きの婚礼櫃(カッソーネ)や、金具が工夫された華やかなチェスト、装飾天蓋の付いたベッドなど、豪華で重厚なのが特徴です。椅子やテーブルも透かし模様や曲線を最大限に使った優美なものが作られました。特にカッソーネは、権威を示すものとして重視されました。

古代ローマ風の芸術性の高いモチーフが多く用いられているのも特徴のひとつです。
植物では、アカンサス模様や葡萄、バラや月桂樹。生き物では、ライオンや馬、羊、鳥、イルカなどが豊かに表現されています。

ルネサンス様式の歴史

初期

14世紀、東ローマ帝国から古典知識を持つ亡命者が、もとから古代ローマの遺物が多いイタリアに流入したことでルネサンス運動が起こります。
15世紀に入ると、古代建築を研究し遠近法を発明した建築家のフィリッポ・ブルネレスキが、画期的な工法によりフィレンツェの大聖堂や礼拝堂を手掛け、ルネサンス様式が開いていきます。

全盛期

 

フィレンツェで始まったルネサンス様式は、15世紀半ばからはフィレンツェを実質的に支配していたメディチ家の援助により更なる発展を遂げます。支援を受けたレオナルド・ダヴィンチやミケランジェロなど数多くの巨匠が豊かに展開し、ルネサンス浸透を確かなものにします。

終焉

芸術と共に自然科学が発達し、宗教改革や主権国家形成にも関係し西洋近代化の礎にもなったルネサンス。16世紀以降は、都市間の紛争により軍事費の増加や、宗教改革、絶対王政国家の台頭などにより衰退を始めます。次第にイタリア、フィレンツェで育った芸術はフランスへ移ることとなります。

ルネサンス様式の国ごとの特徴

イタリア

イタリアではフィレンツェが家具造りの中心地となり、古代ローマの影響が強い装飾過剰な家具を生み出します。櫃(ひつ)、箱型長椅子、八角テーブル、ダンテスカ(X型のアームチェア)が広く知られています。
装飾材料には、象牙や宝石、金箔や象嵌も使われました。

フランス

フランスではイタリアのデザインに似ていながらも、軽快で家庭的なものが多く、ゴシック以前の影響も混ざったものがみられます。夫人がお喋りするために作られた椅子「カクトワール」が大流行し、様々な様式を取り入れた意匠が展開されました。

イギリス

イギリスでは、ルネサンス様式にゴシック様式が織り交ざった、「チューダー様式」や「エリザベス様式」が誕生します。チューダー様式は、リネンを折りたたみ重ねたようなリネンフォールドや、イギリスの伝統花紋のテューダー・ローズの精巧な彫刻が施されました。エリザベス様式は、重厚な造りとブルボーズレッグ等の豪華で華やかな装飾が誕生しました。

「ブルボーズレッグ」について、以下でも解説しています。こちらもぜひご覧ください。

⇒RAFUJU MAG 辞典「ブルボーズレッグ」のページはこちら

⇒ラフジュ工房のイタリアアンティーク家具はこちら

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