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ルネサンス様式とは

ルネサンス様式(ルネッサンス様式)とはイタリアで始まったルネサンス運動(古典復興。14-17世紀初期)における文化・芸術の表現形式です。前代のゴシック様式とは異なる人間性回帰や優美さ・調和等を志向し、ギリシャ・ローマの古典美術に倣いつつ高い芸術性や機能性を備えた精巧華麗な建築・彫刻・絵画等を生みだし、欧州各地に広がりました。

ルネサンス様式の時代背景

ルネサンスの淵源は13世紀後半まで繰り返された十字軍による東西交流と経済発展にありました。それはイタリア商人の地位を高め、その組合「アルテ(ギルド)」の代表者らが各自治都市(コムーネ)を運営するまでになります。そしてアルテや資本家は、君主や教会同様芸術のパトロンとなり、自由で個性的なルネサンス様式を出現させました。また、その「共和制」はキリスト教以前の人文主義的な古代ギリシャや共和制ローマを範とし、東西交流で再流入した古典文化を復活させる契機となり、運動や様式に影響しました。

この時代はメディチ家等の援助によりボッティチェリ、ダヴィンチ、ミケランジェロ等の芸術家が活躍したほか、明るく開放的な建築、濃密な彫刻装飾、写実的絵画、遠近法、感情表現、人体把握等の斬新な表現が全ヨーロッパに波及し芸術史上の画期となります。

ルネサンス様式の歴史

先行期

14世紀、十字軍の影響による地中海交易の発達で北イタリアや中西部トスカーナ地方のコムーネが繁栄し、中でも後者のフィレンツェが大きな発展を遂げます。同市のダンテが古典文学とキリスト教を融合させた叙事詩『神曲』を完成させ、ついでボッカッチョやペトラルカらが活躍し、文芸によるプロト(先行期)・ルネサンスが開かれました。

また、イスラム勢力に圧迫された東ローマ帝国から古典知識をもつ亡命者がイタリアへ流入し、元より古代ローマの遺物が多い同地での古典や新プラトン主義の研究を活発化させます。その他、人間味のある聖人を描いた画家ジョットも「ルネサンスの父」と呼ばれ、フィレンツェ近隣のシエナ派の画家達も写実を重視するなど、先駆的活躍をしました。

初期

15世紀に入ると、古代建築を研究し遠近法を発明した建築家ブルネッレスキが画期的工法によりフィレンツェ大聖堂等を手がけ、アーリー(初期)・ルネサンスを開きます。次いで画家マザッチョが遠近法や感情表現を採り入れ、その改革を絵画に採り入れました。また、彫刻家ドナッテロも遠近法や感情表現・古典姿勢を採用した先進的な作品を手掛け、画家アンジェリコやウッチェロらも現実と幻想に揺れる初期様式作品を創作します。

盛期

フィレンツェで始まったルネサンスは15世紀半ばから同市の支配者メディチ家の援助により更なる発展を遂げます。左右対称や遠景配置の構図を用いた画家リッピ父子や、人体表現に解剖学を応用した画家ポッライウォーロ兄弟、彫刻家・画家ヴェロッキオらがハイ(盛期)・ルネサンス様式を展開します。また、フィレンツェ以外では画家メッシーナが油彩技法を導入して緻密な表現を可能にし、フランチェスカも数学理論を採り入れた知的で静謐な絵画を創作します。そして、ネオプラトニズムを具体化した画家ボッティチェッリ、リアリズムを追求し多分野で才能を発揮した「万能人」ダヴィンチやミケランジェロ、ラファエッロらの巨匠の活躍が始まり、ルネサンス浸透を確かなものとします。その他、画家ではデル・サルト、建築その他ではアルベルティやブラマンテ、ヴァザーリ、ロマーノらが活躍し、音楽や思想著作等においてもルネサンス様式が展開されました。

ヴェネツィア派と北方への波及

北イタリアのヴェネツィアでは15世紀から、大らかで華やかなルネサンス様式画派ヴェネツィア派が形成されます。それは画家ベッリーニからマンテーニャやカルパッチョ、ジョルジョーネらを経てティツィアーノで完成されました。

また、欧州大陸各地ではノーザン(北方)・ルネサンスと呼ばれる動きが現れます。ベルギーのファン・エイク兄弟が油彩画を大成し超絶的写実画を描いてメムリンクに継承され、オランダではボスが革新的風俗画、イギリスではホルバインが写実的肖像画、ドイツではクラナッハが裸体女神像、デューラーが彫刻や絵画等に才能を発揮し、活躍しました。

ルネサンス様式の終焉

芸術と共に自然科学も発達させ、宗教改革や主権国家形成にも関係して西洋近代化の礎となったルネサンス。16世紀以降はコムーネ間の紛争による軍事費の増加、宗教改革や大航海時代到来によるローマカトリックや地中海交易の衰退と、絶対王政国家の台頭等により衰退を始めます。そして、育まれた芸術の華はフランスへ移ることとなりました。

ルネサンス様式の家具とその特徴

ルネサンス期には、古代ローマの家具に影響された、華麗な意匠と一面に精巧な彫刻が施された家具が現れます。宮殿的邸宅パラッツォに置かれる高浮彫りで覆われた脚付婚礼櫃(ひつ)、カッソーネが権威を示すものとして重視され、タンスは金具や丁番が工夫されて華やかになり、ベッドには円柱で支える装飾天蓋が付きました。テーブルも豪華な装飾がある重厚なものとなり、椅子は透かし模様の背板が低くなり、肘掛も湾曲形となります。

ルネサンス様式の彫刻装飾

彫刻等の装飾は同期の建築同様、古代ローマ風ながら芸術性の高い意匠が用いられます。
模様はアカンサスの葉が多く、葡萄やスイカズラ、パピルス、月桂樹、ロゼット(花形)、チューダーローズ(バラ紋)、ライオン、馬、羊、鳥、イルカ、人、グロテスク面、渦巻、卵と矢、リネンホールド(襞浮彫)等のほか、神話や故事、寓話等の場景もありました。

ルネサンス様式、国ごとの特徴

イタリア

地域毎の特徴は、イタリアはフィレンツェが家具づくりの中心地となり、古代ローマの影響が強い装飾過剰な家具を生み出します。櫃が多く、箱型長椅子、八角テーブル、ダンテスカ(X形椅子)等があり、材料には象牙や宝石も使われ、金箔貼りや象嵌も施されました。

フランス

フランスはイタリアの模倣的ながらも軽快で家庭的なものが多く、ゴシック以前の影響も残ります。座面が前に開いたカクトワール(お喋り椅子)が流行し、フランソワ1世様式やアンリ2世様式が展開されました。

イギリス

イギリスはゴシックと混ざったチューダー様式とエリザベス様式が誕生。前者はリネンホールドやチューダーローズを継承して精巧な彫刻が施され、後者は重厚な造りとメロンバルブ(果実形)等の豪華な装飾が施されました。

ドイツ

ドイツもイタリアの模倣的で、初期は単純で直接的なもの、のちにはアカンサスやグロテスク面等の彫刻が多くなります。

フランドル

フランドル(ベルギー・オランダ)はゴシックを強く残しつつ彫刻や挽物により柔らかで簡潔な意匠を展開。

スペイン

スペインはゴシックにイタリアやフランドルが混合した意匠で、扉が下開きして机になるバルゲーニョが特徴的です。また、イスラムの影響による幾何学模様の寄木や銀象嵌装飾のムデハル様式も生まれました。

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