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ロイヤルドルトンとは

ロイヤルドルトンが高級磁器メーカーになった秘密とは?

ロイヤルドルトン カップ&ソーサー

ロイヤルドルトン(Royal Doulton)は、19世紀初期に陶磁器メーカーとして操業をはじめ、現在では、「ミントン」「ロイヤルクラウンダービー」「ロイヤルアルバート」等の名だたる有名ブランドを傘下におく、世界最大級の陶磁器メーカーです。
華々しい成功を納めたロイヤルドルトンですが、その創業当初は現在のような高級ディナーセットを扱うメーカーではありませんでした。
栄光を手に入れるまでの歴史を辿っていくと、ロイヤルドルトンの違った景色を楽しめるかもしれません。

ストーンウェアから始まった、ロイヤルドルトンの歴史

ロイヤルドルトン マーク

創業当初のブランドマークにはライオンのデザインはなく、王冠の下に配置されている
花のような幾何学模様のマークのみ受け継がれている。このマークは1978年発売の「ホワイトライン」シリーズのもの。

1815年、ジョン・ドルトンはロンドン近郊テムズ河畔のランベス村にドルトン窯を開きました。
当初はソルトグレイズ(塩釉)仕上げのストーンウェア(炻器)を用いて、ビールのピッチャーや人物型のジャグ(水差し)、
ウィスキーボトル等の日用品や置物を製作していたといいます。

1835年には、ロイヤルドルトン発展の立役者となる息子のヘンリー・ドルトンが参加し、蒸気機関を轆轤(ロクロ)に応用するなどして、工場の生産効率を劇的に向上させました。

消費者のニーズを掴むものづくりで成功を遂げる

更に、それにより製造が容易となった大型の瓶が、当時需要が高まっていた化学薬品容器として珍重され始めます。
ヘンリーは、次に新たな富裕層の間でフランス風庭園づくりが流行したことに着目し、多種多彩なガーデニング用の陶器も製造しました。
1840年代に入ると、政府から都市整備用の排水管の注文が入ります。
1845年には世界初の衛生陶器工場をランベスに設け、製品種を洗面台やバスタブ・トイレ等にまで拡大します。
これによって、ドルトン窯の製品は世界各国に輸出されるという大成功を収めました。
これによりドルトン窯は飛躍的に発展し、その余力をして新たなる挑戦へと向かわせます。

「大量生産品」から「一点物」へ。ドルトン窯の新たな挑戦

ヘンリーは1870年代から「ランベス・ウェア」と呼ばれる、「一点もの」「作家もの」の概念を導入した製品づくりを始めます。
美術学校の卒業生を採用し、自由で個性あふれるデザインや創作を採用していきました。

この試みは、万博での好評やヴィクトリア女王の買い上げ等の形で成功を収め、1878年にはパリ万博グランプリの栄光も掴みました。そして、他社もそれにならってデザイン部門を設立し始めます。
その動きはイギリス中に広まり、「美術陶芸運動」を生みだすことになりました。

イギリスが認める名窯に

ロイヤルドルトン 金彩

その後、陶業に便利なストーク・オン・トレントにアートスタジオを開き、
装飾性の高いテーブルウェアやオーナメント(記念品的飾り物)を製作して、ボーンチャイナも導入され始めます。
これらの功績により、1885年に王立芸術院よりアルバート勲章、1887年に女王よりナイトの称号がヘンリーに贈られました。
そして1897年、ヘンリーはその栄光の生涯を閉じることとなりました。

  • ボーンチャイナの流入で、ヨーロッパの製磁器づくりはどう変わった?
    16世紀頃からヨーロッパにもたらされた中国や日本独自の鮮やかな硬質磁器は西洋諸国に衝撃を与え、王侯貴族達が競って収集を始めました。
    やがて、その模造が各国で試みられ、18世紀初頭に現ドイツのマイセン窯が成功し、ヨーロッパの各地に広まります。
    それは、高度な科学・芸術技能を要する製磁が国の威信・利益に関わる為でしたが、原料の発見が遅れたイギリスでは、ボーンチャイナによる代用や、大陸由来の炻器(せっき)が発達しました。
  • 炻器(せっき)
    磁器と陶器の特徴を併せ持った素材。光を透過せず、水分を吸収しない特長を持つ。また、固く焼きしまり丈夫で、ストーンウェアとも呼ばれます。

ディナーウェアをメインとした”ロイヤル”ドルトンへ

イギリス アンティーク

1901年にはエドワード7世から、王室御用達と「ロイヤル」の名を社名に冠する名誉を受け、今日に呼ばれる「ロイヤルドルトン」を名乗り始めることになります。
一方、ランベスの窯ではタイル等の建材生産が盛んとなり、世界各地の建物に使用されます。
1956年にそれが廃されると、ストーク・オン・トレントを本社として、ディナーウェアや子供食器・置物・クリスタル等を
生産する総合洋食器メーカーとなりました。

ロイヤルドルトン グループ

そして、1970年代にはついに「ミントン」「ロイヤルクラウンダービー」「ロイヤルアルバート」等の著名窯を吸収し、傘下に収めます。こうして、世界最大級のロイヤルドルトングループに成長しました。

ロイヤルドルトングループ関連のブランドをもっと知りたい方はこちらもいかがでしょうか?

ロイヤルドルトングループの1つ、「ミントン」のRAFUJU MAG辞典ページはこちらから

 

ロイヤルドルトンが使った「2つ」の素材

創業を支えた「炻器」

先にもご紹介したとおり、ロイヤルドルトンは17世紀頃に伝来した炻器による建材等で飛躍的な発展を遂げました。
その炻器を用いた製品の中で、特に小物は炻器に化粧がけを施したものが基本となります。
泥漿(でいしょう。水と粘土の混合物)で着色する「エンゴーベ」と呼ばれる技法で、ガラス質の塩釉で覆って仕上げられました。

高級ラインの「ボーンチャイナ」

もう一つの主流ボーンチャイナは18世紀半ばにイギリスで考案された牛の骨灰入り陶土を使うもので、
純白の生地を低温で本焼き出来たため、多彩な色付けを実現できました。
なお、金彩・色絵等の絵付けは手描きのほか転写も用いられ、成形は轆轤や石膏型が使われます。

食器だけじゃない、用途もデザインも様々なロイヤルドルトン製品

ディナーセットにフィギュリンなど、ロイヤルドルトン製品の種類

ロイヤルドルトン バニキンズ

画像左下は、フィギュリンの中でも人気の「バニキンズ」シリーズ

産業用陶器を除いたロイヤルドルトンの器種には、茶器・酒器・食器・壺・花瓶等のほか、
プレート・彫像・置物・人形(フィギュリン)・時計・貯金箱等の様々な種類の製品があります。

ロイヤルドルトンが生んだ数々のデザイン

ロイヤルドルトン アルカディア
ロイヤルドルトン アンティーク

写実的な描写から、幾何学形態で構成したデザインまで実に様々な絵柄が登場する。

セーヴル風の金彩濃紺地、写実・浪漫的な細密画が描かれるロココ式、古代ギリシャ風の連続紋等が用いられた新古典主義式、
幾何学模様、抽象的草花紋のアールヌーボー式、日本画等を採り入れたジャポニズム式、
シンプルかつ洗練された美しさをもつアールデコ式等がありますが、初期には絵皿が多かったとされます。

ロイヤルドルトン プレート

アールデコの有名作家エルテのロイヤルドルトン限定プレート「Ondee」

ロイヤルドルトンが誇る代表作

「ドルトンレッド」は、白金を使う技法で、濃い赤色が特長です。炻器や磁器があります。
その他では、1972年発表の形式的草花紋が紺縁上に反復する食器「カーライル」に、
1996年発表のマーブル地と金彩が格調高い食器「ビルトモア」や華やかな果実と花の縁どりが入る食器「オーチャードヒル」。
人気児童小説『くまのプーさん』を題材にした食器やフィギュア「クラシックプー」、同じく人気物語『ブランベリーヘッジ』の食器
フィギュア「ブランベリーヘッジ」があり、「カウンテス」「バロネス」「ディザイア」「チャリノー」「ハンナ」「センテニアル・ローズ」「ゴードンラムゼイ」等もあります。
なお、総体的な特徴としては、金装飾等が控えめで、ボーンチャイナの白を引き立てる洗練された「品」のあるデザインです。

 

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