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ツイストレッグとは

ツイストレッグとは、丸棒を螺旋状にした形状をもつ西洋家具の挽物(ロクロ細工)製の脚や支柱です。流麗かつ艶やかな姿が特徴で、「バーリー・シュガー・ツイストレッグ」、日本では「ねじり棒」とも呼ばれます。ルネサンスからバロック様式期(16-17世紀)に欧州で流行し、特に17世紀後半のイギリス・ジャコビアン様式の椅子等が著名となりました。

ツイストレッグの基本的な構造

両端や貫(ぬき。横柱)等の接続箇所が直方体となっているものです。その中世的な姿のためか、18世紀以降の軽快な新古典主義様式の流行と共に廃れますが、19世紀半ばの折衷主義と工作機械発達による再流行やその後の復古様式等として復活。アンティーク・復刻品にかかわらず、今もその印象的な姿が愛好家に好まれています。

木工に秀でたフランドル(オランダ・ベルギー)でルネサンス後期頃に発達したとされ、16世紀以降にフランス、スペイン等で流行が始まりました。
なかでも、フランドル・ルネサンスとフランス・バロックの融合様式であり、挽物工具の発達に助けられたイギリスの後期ジャコビアン様式の家具に多用され、ツイストレッグの代名詞的存在となります。

ツイストレッグはデザインによって呼び名が様々

バーリー・シュガーとは練った大麦をねじった砂糖菓子に由来し、それに挽物の意味を足し「バーリー・シュガー・ターニングレッグ」とも呼ばれます。また「ツイストターニングレッグ」「ツイステッドレッグ」「スパイラルレッグ(彫りの浅いもの)」とも呼ばれ、その由来には古代イスラエルやローマの石柱、ポルトガルやインド発祥等の所説あります。

ツイストレッグの歴史

ツイストレッグのはじまり

ツイストレッグの起源は定かではありませんが、その形状に似たものは古代ローマ(前1-4世紀)頃から存在しました。それは「ソロモンの柱」と呼ばれる螺旋状の石柱で、古代イスラエルのソロモン王神殿の柱を模したとされるものでした。ローマ帝国東方で流行したとみられ、2世紀頃に造られ4世紀にローマ市内に持ち込まれたものが現存します。そして、それらを模してヨーロッパの修道院等でも使用されるようになります。

中世以降はあまり使われませんでしたが、17世紀にバロック建築の要素として再流行し、イタリアの彫刻家ベルニーニが豪奢な聖堂天蓋に利用するなどしました。家具における流行もこの頃始まったとする説がありますが、実際は前世紀から始まっています。
しかし、彫りの浅い「スパイラルレッグ」も、インドや東西交易を先導したポルトガルを源とする説があり、いずれにせよ、ツイストレッグも東方に関わる意匠であった可能性があります。

ルネサンスでの誕生

16世紀頃、古代ギリシャやローマ文化の復興を志向するルネサンス運動が進展すると、木工先進地フラドルでツイストレッグの家具が作られ始め、フランスやスペイン等にも影響します。

特にフランスは、16世紀前期にゴシック様式の重厚さが残るフランドル・スタイルを、軽快で家庭的なフランソワ1世様式へと発展させました。またスペインは、上扉を開けると机になるイスラム文化の影響も受けた独自家具「パルゲノン」等に使用します。

バロック様式の流行と、イギリスでのツイストレッグの定番化

17世紀には、ルネサンスに劇的豊麗さを加えたバロック様式に影響された家具が作られ始め、ツイストレッグもそこに用いられます。フランスでは、17世紀前半のルイ13世様式期に、装飾を増しながらも洗練味ある家具に用いられ、ドイツやイギリス等の周辺国に影響を与える要素となります。

特にイギリスは、17世紀後半から遅れてツイストレッグを導入しますが、挽物加工で送り台(スライディングレスト)を発達させて製造を容易にし、盛んに使用しました。それは、ジャコビアン様式後期(チャールズ2世様式・カロリアン様式・レストレーション〈王政復古〉様式)に当たる頃で、フランドルとフランスの様式を混合した装飾豊かで存在感あるハイバック・チェア等を生み出し、イギリス・バロックとツイストレッグ家具の印象を確立しました。
また、当時イギリスの植民地であった北米のコロニアル様式(アーリーアメリカン)や、周辺各国等にも影響を与えました。

なお、イギリスでは、家具や手すり子の「ねじり棒」は、ポルトガル出身のチャールズ2世妃(1662年成婚)と共に渡来したとの説があります。

ツイストレッグの衰退

しかし、17世紀後半のルイ14世様式でフランス・バロックが更なる洗練に向かうと、中世的な趣のあるツイストレッグは使われなくなります。また後発のイギリスでも18世紀初頭には既に時代遅れとなり、地方で使われるぐらいとなりました。

ロココ様式を経て家具界に新たな流行が到来。新古典主義の流行

欧州家具の流行は軽快優美なロココ様式を経て、直線的・合理的な新古典主義へと移行したため、ツイストレッグは廃れたのです。

しかし、その独特の趣に対する需要等から、19世紀半ばのヴィクトリア様式期での折衷主義や生産機械化による再流行、復古様式による復活等を経て存続し、現代でも作られる定番形式となりました。

ツイストレッグの特徴(仕上げ・加工・材料・使用家具種)

古さと新しさを併せ持つような独特の趣で印象深い、ツイストレッグの家具。それには、太さや螺旋の粗密等に各々違いがあります。表面の仕上げは、木地の雰囲気を活かした塗料による隠蔽がないものや、艶出し加工されたものが多くなっています。

ツイストレッグが使われる家具の種類

ツイストレッグを用いる家具の種類には、スタンド・キャビネット(脚立式箪笥)、アームチェア(肘掛椅子)、クロムウェル・チェア(背板が低く座面が正方形の肘掛椅子)、ハイバック・チェア、デイベッド(長椅子)、各種ダイニングテーブル、サイドテーブル、ゲートレッグ・テーブル(脚部可動式拡張卓)、ライティング・ビューロー(書記机)、天蓋付寝台、飾り棚、戸棚、パルゲノン等があります。

ツイストレッグの加工方法

その加工は、送り台に付けられた彫刻刃を、回転させた木棒に当て、台をスライドさせて行ないます。木棒の回転やスライドの速度を変えることにより、ねじれの粗密を調整出来る仕組みで、独立した丸棒2本が絡まる形態の「ダブル・ツイストレッグ(ダブル・バーリー・シュガー・ツイストレッグ)」の場合は、芯部を削り取り、浮彫的に成形するという更に繊細・高度な加工が必要とされます。

材料

家具本体に準じたオーク、ウォールナット、栗、マホガニーのほか、ガラス(バカラ家具等)等が用いられます。

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